取引に使っていたFX口座がいきなり凍結すると、「一体なにが理由なのか」「どうしたら良いのか」と慌ててしまうものです。
この記事では、FX口座が凍結する理由と対処方法を詳しく解説しています。
儲かりすぎやスキャルピングで口座が凍結するという噂の真偽についてもまとめているので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
- スキャルピング・虚偽申告・不正取引・システムの改変などが原因
- 儲かりすぎて凍結するケースはほとんどない
- 凍結後に残った証拠金は出金可能
※本記事の価格は全て税込みです。
FX口座が凍結すると起きること
FX口座が凍結した場合に何が起きるのか、不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
何らかの原因でFX口座が凍結した場合、FX会社から下記のような措置が取られることになります。
- 新規注文・決済の受付停止
- 過去の約定の無効化
- FX口座の入金・出金停止
- 顧客向け各種サービスの利用停止
- 強制解約
上記全ての措置が一度に取られるわけではなく、凍結理由によって対応は異なります。
なお、海外FX業者では口座凍結するとログインできなくなる場合がありますが、国内FX会社だと口座凍結の後もログインは可能です。
口座凍結の前後にはFX会社の窓口から連絡が入る可能性が高いため、連絡先に登録しているメールアドレスは毎日チェックするようにしましょう。
FX口座が凍結される主なケース
普通にFX取引をしているだけで口座が凍結されることはまずありません。
FX口座凍結の裏には、凍結に至るまでの問題が必ず隠れています。
そこで、ここからはFX口座凍結に繋がる主なケースを解説していきます。
- 規約に違反する行為やトレードを行った
- 一定期間取引を行わなかった
規約に違反する行為やトレードを行った
FX会社の利用規約を守らず、違反する行為や取引を行うと、口座が凍結する可能性があります。
「FX口座凍結に繋がる行為」については、このあとの章で詳しく解説します。
一定期間取引を行わなかった
長期間FX取引を行わず口座を放置していた場合、FX会社で「休眠口座」と判断され、ログインや取引が制限されることがあります。
休眠口座は凍結というよりも、一時的に取引が制限されているだけの状態ですから、正規の手続きをきちんと行えばまた問題なく取引を再開できます。
あらためてログインした上で放置していた期間のメッセージをチェックしたり、提出する書類があれば提出するなどの対応をしましょう。
FX口座が凍結する可能性のある行為
上記ではFX口座が凍結する主なケースを紹介しましたので、ここからは具体的にどういう行為をすると凍結する可能性があるのかを解説していきます。
- スキャルピング
- 虚偽の事実を申告した
- 不正取引・システムの改変を行った
- 取引とは関係のない入出金を繰り返した
- FX会社との直接のやり取りをネット上に公開した
スキャルピング
GMOクリック証券やDMM FXなど、多くの大手FX会社は「短時間のうちに注文を繰り返し行う行為」を禁止しています。
第 7 条 (禁止事項)
(10) 短時間又は合理性に欠ける頻度で注文を繰り返し行う行為
そのため、スキャルピングが禁止行為に該当する可能性がゼロではありません。
ただし、FX会社が禁止している「短時間での注文を繰り返し行う行為」とはシステムトレード(自動売買)を指していることがほとんどで、一般の方が手動でスキャルピングをしただけでFX口座が凍結になることは考えにくいです。
とはいえ「短時間での注文を繰り返し行う行為」を禁止している以上、「スキャルピングは絶対に凍結されない」という保証もありません。
ですから、スキャルピングメインで取引をする方は、スキャルピングが出来ることを明記しているFX会社を選ぶと安心です。
- ヒロセ通商 LION FX
- JFX
虚偽の事実を申告した
FX会社に届け出ている情報などに虚偽がある場合、口座が凍結され、一方的に解約されるおそれがあります。
例えば家族名義のアカウントを使ってトレードをしただけでも「なりすまし」になり、禁止事項に該当します。
第 7 条 (禁止事項)
(12) 他人名義(家族名義を含む)で口座開設の申し込みを行うことまたは他人名義の口座を利用して取引を行うこと
必ず自分名義のアカウントを作成して使うことはもちろん、申告する情報や提出書類にも間違いがないように確認しましょう。
不正取引・システムの改変
FX会社が提供する取引システム以外のツールやソフトウェアを取引に使用すると、口座凍結のリスクがあります。
FX会社から「通常の取引では実行できないような取引をしている」などと判断されたら、不正取引と認定される可能性が高まるので要注意です。
自動売買が可能なFX会社でも、使用できるシステムの種類は必ず決まっています。
取引とは関係のない入出金を繰り返した
FX会社の口座はFX取引に使う証拠金を保管するためのものなので、取引と無関係な使い方をすると凍結される場合があります。
第 7 条 (禁止事項)
(11) 取引とは関係がないと思われる入出金を繰り返し行う行為
銀行に比べて入金・出金手数料がかからないのがFX口座のメリットですが、だからといって取引に関係なくお金を預けたり入出金を繰り返す行為は控えた方が良いでしょう。
FX会社との直接のやり取りをネット上に公開した
問い合わせなどでFX会社と交わした文章・やり取りを不特定多数に公開すると、口座凍結の対象になることがあるので要注意です。
第 7 条 (禁止事項)
(7) お客様と当社の間で交わされた電子メール、電話、書簡等の内容を当社の書面の同意を得ずに公開、複製、転載、再配布、販売する行為
「他の人の役に立つかも」という思いでTwitterなどにスクショを載せたくなることもあるかもしれません。
しかし、ほとんどのFX会社の規約では、無断公開は禁止されています。安易に他人に公開しないように気をつけましょう。
儲かりすぎると口座が凍結するって本当?
「FX取引で儲かりすぎると口座が凍結する」という噂がありますが、事実ではありません。
1注文あたりの数量や建玉数には上限が設けられているため、その範囲内で取引をしていれば儲けすぎて凍結されることは起きません。
主なFX会社ごとの注文数・建玉数の上限は、下記の表をご覧ください。
FX会社 | 最大取引数量 | 建玉上限 |
---|---|---|
GMOクリック証券 FX NEO | 100万通貨(通常モード) 500万通貨(大口EXモード) | 全通貨ペアの合計が4,000万通貨まで |
DMM FX | 100万通貨 | 全通貨ペアの合計が1億通貨まで |
SBI FXトレード | 1,000万通貨 | 未約定の新規注文件数と建玉件数の合計2,000件まで |
楽天FX | 200万通貨 | 建玉及び注文の合計額が100億円相当額まで |
ヒロセ通商(LION FX) | 1,000万通貨 | 建玉合計1,300件まで |
短期間に利益が急激に増えた時は要注意
FXで儲かりすぎて口座凍結されることはないですが、あまりにも短期間に利益が急激に増えた場合、不正取引を疑われる可能性は否定できません。
FX会社の規約では「過度な投機的取引」も禁止されているため、儲けすぎの状態が「投機的だ」と判断されてしまうリスクになることは頭に入れておいた方が良いでしょう。
FX口座の凍結の解除方法
FX口座が凍結された時、解除方法は凍結理由によって異なります。
ここからは凍結口座の解除方法を確認していきましょう。
- 休眠口座が凍結したケース
- 不正取引などで凍結したケース
休眠口座が凍結したケース
長期間放置していた休眠口座が凍結されていたら、あらためてログインした上でマイページにある「会員へのお知らせ」や「確認書類」を1つずつチェックしていきましょう。
本人確認書類やマイナンバーの再提出を求められる場合もありますが、指示通りに進めていけば口座凍結は解除されます。
不正取引などで凍結したケース
FX会社から不正取引だと判断されて口座が凍結した場合、残念ですが凍結解除が見込めないことも多いです。
約款に記載された禁止行為をしたユーザーは、理由にかかわらず強制解約になるFX会社がほとんど。
ただ、不正行為に思い当たることがない場合はシステム側の不具合も考えられるため、FX会社に早急に連絡を取るようにしてください。
凍結された口座からの出金方法
FX口座が凍結したあとも、残りの証拠金は出金することが可能です。
すべてのポジションは口座凍結によって強制決済されるので、決済によって生じる利益・損失を精算したあとの残高を出金することになります。
FX会社に支払う損害金等がある場合は、損害金を精算すれば出金できます。
約定が無効になって出金できないことも
取引自体に不正行為があったと判断されて口座が凍結した場合、その間の決済済みの利益が無効になることもあります。
すでに利益として口座残高にプラスされていても、約定が取り消された時に利益も一緒に消失するので、出金可能額は減少することになります。
海外FX口座は出金拒否もある?
国内のFX会社で開設した口座なら、凍結されたとしても残った証拠金は出金することが可能です。
しかし、海外FX業者で口座凍結をしてしまった場合は「出金申請が通らず拒否された」という方もいるようです。
○無登録の海外所在業者との取引において、以下のようなトラブルになるケースが発生しています。
▶「成功体験を語ったブログやSNSの投稿を見て興味を持ち、海外業者とバイナリーオプション取引を開始したが、利益が出ているはずなのに、出金を求めても応じてもらえず、そのうち業者と連絡が取れなくなった」
海外FX業者には金融庁の規制が適用されないため、利用する時には細心の注意が必要です。
FX口座の凍結に関する質問
万が一FX口座の凍結が起きた時のために、よくある疑問と回答をまとめました。
FX口座凍結のあとに別のFX会社で口座開設できますか?
理由もなく口座が凍結された時の対処法は?
スキャルピングで凍結する基準が知りたい
FX口座凍結を避けるにはルールを守ることが大切
今回はFX会社の口座が凍結する理由や、凍結の解除方法について詳しく解説しました。
大切な資産を預けているFX口座の凍結を避けるためには、下記のようなことが大切です。
- FX会社の約款にある禁止事項を読んでおく
- サーバーやシステムに負荷がかかる取引をしない
- 不正取引だと疑われるような行為をしない
- 不安な時はFX会社に問い合わせて回答をもらう
提供されているツールを使って通常の取引をしている限り、FX口座が凍結されることはありません。
しかし、許可されていない取引を無断でやってしまった場合、不正取引と判断され一発で凍結してしまう可能性も。
口座の凍結を避けるためには、FX会社ごとのルールをきちんと理解して、決まりを守りながら取引を続けることが大切です。