FXとは外国為替証拠金取引のことで、2国間の為替レートの値動きや、金利差で利益を得る投資方法です。
FX取引はレバレッジという仕組みを使って、少ない自己資金で大きな利益を得られる可能性があります。
一方、FX取引はリスクが高い投資であるため、FX初心者はしっかりとした知識を持っていることが大切です。
この記事ではFX初心者におすすめの勉強方法と、学ぶべき最低限の知識を紹介します。
FX初心者や、これからFX取引を始めたいけれど何を勉強して良いのか分からない方はぜひ参考にしてください。
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FX初心者におすすめの勉強方法
FXはリスクが高い投資ですが、経験や知識を積み重ねれば利益を出しやすくなるもので、ギャンブルではありません。
FXを始める前も、始めてからも継続的に勉強することが大切です。
FX初心者が勉強する場合、次のような方法をおすすめします。
- インターネットで勉強する
- 書籍で勉強する
- 動画で勉強する
- アプリで勉強する
- セミナーで学ぶ
どの方法も一長一短があるため、それぞれの特徴を理解して効率よく知識習得に生かしていきましょう。一つずつ詳しく解説していきます。
インターネットで学ぶ|FX初心者におすすめの勉強方法
インターネットは知りたい言葉を検索するだけで、高い精度で欲しい情報にたどり着けます。
FXの取引に関する勉強を24時間いつでもすぐに行いたい方におすすめです。
ただし一方で情報の質は玉石混合で、中には事実と異なる情報が書かれている可能性もあります。
インターネットは、運営サイトの信頼性も確認しておくことが大切です。
書籍で勉強する|FX初心者におすすめの勉強方法
FX関連書籍は必要な情報だけ取り出すには向いていません。
しかし初心者向けFX関連書籍は基本的な情報から学び、徐々に応用編に進めるように書かれていることが一般的です。
したがって書籍は、何から勉強して良いのか分からない方に向いています。
また実際に本屋に行けば、どのような内容が書かれているか確認することもできます。
書籍を購入したものの、自分の意図した情報が得られなかったということは避けられるでしょう。
一方書籍の欠点は、書籍を購入する費用がかかることや、情報が更新されない点です。
FX関連書籍は中古・古本の類は極力避け、新刊・出版日が最近のものを購入しましょう。
動画で勉強する|FX初心者におすすめの勉強方法
最近はYouTubeなどのFX関連動画を見ながら、無料で勉強できるようになりました。
FX取引画面の操作方法、チャートの見方といった内容は、文字や言葉では分かりにくいことがあります。
このような情報は、動画のように実際に目で見た方が分かりやすいでしょう。
書籍を読んでも少し分かりにくい内容の中には、動画で視覚的に見ると理解できるものもあるかも知れません。
ただし再生回数を稼ぐために、情報の質よりインパクトを重視して作成されているサイトもあります。
FX関連動画もインターネットと同様、発信元の信頼性について確認することが大切です。
アプリで勉強する|FX初心者におすすめの勉強方法
アプリで得られる情報は、どちらかというとFX取引を実際にスタートしてから必要になる情報が多いかも知れません。
しかしFXに関連するニュースなどは最も早く入手できるため、FXに関する経済情勢などを優先的に把握したい方は、アプリが向いています。
セミナーで勉強する|FX初心者におすすめの勉強方法
FX会社から個人の投資家が主催するものまで、探せば様々なセミナーを見つけることができます。
しかしFX関連セミナーは何らかの目的があって開催しているケースがほとんどでしょう。
単純に参加者にFX取引の口座開設を促すセミナーなら問題ありませんが、悪質な情報商材をすすめられる可能性もあります。
セミナーの運営元が信頼できるFX関連の情報提供会社か、参加する前に必ず確認しておきましょう。
FX初心者が取引開始までに必要な基礎知識
ここからはFX初心者が必ず必要な知識を解説していきます。
FXを始める上で最低限知っておくべきことなので、必ず確認しておきましょう。
FX取引の利益を出す仕組み
FX取引で利益を出すには2つの方法があります。
- 通貨の買値と売値の差額で利益を出す
- スワップポイント(金利差)で利益を出す
1つずつ見ていきましょう。
FX取引は通貨の買値と売値の差額で利益を出す
FXは選んだ通貨の売買益で利益を出すことができます。
米ドル/円の通貨ペアを例に解説します。
例えば1ドル=100円の時にドルを100通貨分購入します。この時に必要な日本円は10,000円です。
この後円安で米ドルが1ドル110円になったときに、持っていた100通貨分のドルを売却すると11,000円が得られます。
つまり1,000円の利益が生まれたことになります。
またFXの特徴は売りからもスタートできる点です。
例えば1ドル100円の時にドルを100通貨分売却します。
その後円高になり1ドル=90円になったときに、売っていた100通貨分のドルを9,000円で買い戻すと1,000円が利益になります。
スワップポイント(金利差)で利益を出す
FX取引は通貨を保有しているだけで、ほぼ毎日スワップポイントという利益を受け取れる場合があります。
スワップポイントについては、FX取引の基本用語の章で詳しく紹介します。
各通貨ペアの特徴
現在FXで取引できる通貨は円・アメリカドル・ユーロといったメジャー通貨。
加えて南アフリカランド・トルコリラなどマイナーなものまで多くの通貨がラインアップされています。
FX取引では2つの通貨をペアで取引しますが、通貨ペア選びはFX取引で利益を上げるためには重要な要素です。
マイナー通貨とメジャー通貨の特徴は次の通りです。
- マイナー通貨は金利が高い、メジャー通貨は低い
- マイナー通貨は価格変動が大きい、メジャー通貨は小さい
- マイナー通貨はデフォルトリスクが大きい、メジャー通貨は小さい
マイナー通貨は金利が高いので、保有しているだけで多くのスワップポイントを受け取れるメリットもあります。
しかしマイナー通貨は値動きが激しいため、せっかく多くのスワップポイントを獲得しても、値動きによる損失で帳消しになってしまうかも知れません。
メジャー通貨はスワップポイントが少ないものの、価格が安定しており情報も豊富で扱いやすいというメリットがあります。
FX初心者の基本用語
FXはたくさんの専門用語がありますが、以下の用語はトレードをするうえで最低限知っておきましょう。
- スプレッド
- スワップポイント
- レバレッジ
- ロスカット
それぞれ詳しく解説します。
スプレッド|初心者向け基本用語
FXは売値と買値が別々に設定されています。この売値と買値の差のことをスプレッドと言います。
例えば米ドル円の通貨ペアで、買値が128.622円、売値が128.620円の場合、買値と売値の差は0.002円、つまりスプレッドは0.2銭です。
この場合128.622円で米ドルを購入しても、現在128.620円の売値が128.622円より円安になっていなければ利益になりません。
そのためスプレッドはFX取引における実質的な手数料と言えるでしょう。
スワップポイント|初心者向け基本用語
通貨ペアの2ヶ国間の金利差によって生じる利益のことをスワップポイントと言います。
スワップポイントは金利の高い通貨を買い、金利の低い通貨を売ると受け取れます。
たとえば、2023年1月現在メキシコの政策金利は10.5%、日本はマイナス0.1%です。
メキシコの政策金利のほうが高いため、「メキシコペソ/円」の通貨ペアで買いポジションを保有しているだけで、ほぼ毎日スワップポイントという利益が受け取れます。
スワップポイントはFX会社ごとに異なります。スワップポイント狙いでFX取引をする方は、スワップポイントが高いFX会社は選びましょう。
レバレッジ|初心者向け基本用語
自身が拠出した資金以上の取引を行うことをレバレッジ取引と言います。
国内のFX会社は25倍までレバレッジをかけることが可能です。
これは100万円の証拠金が合った場合、2,500万円分の取引ができることになります。
ロスカット|初心者向け基本用語
ロスカットとはFX取引で損失が拡大した場合に、これ以上の損失を避けるために、保有している全てのポジションを強制決済する仕組みのことです。
ロスカットになると大きな損失が生じる可能性があります。
FXの取引手法
FXは主に4つの取引手法があります。代表的な取引手法は以下の通りです。
- スキャルピング
- デイトレード
- スイングトレード
- 長期トレード
どれもメリットとデメリットが存在するので、1つずつ見ていきましょう。
スキャルピング|FXの取引手法
数秒から数分で売り買いを繰り返し、利益を積み重ねる取引手法です。
複数のポジションを持たないため、資金効率が良い点がメリットです。
ただし少ない利益を積み重ねるために、何度も判断と注文を繰り返す忍耐力と集中力を要します。
またFX取引はスプレッドがあるため、売買のために実質的な手数料が何度もかかる点がデメリットです。
デイトレード|FXの取引手法
1日の中で取引を完結させ、ポジションを翌日に持ち越さない取引手法のことです。
スキャルピングと似ていますが、取引頻度はデイトレードのほうが少なくなります。
ただしトレード中はスキャルピングと同様、常に相場に張り付いている必要があり、忍耐力や集中力を要します。
スイングトレード|FXの取引手法
数日から数週間の短い期間で売買する手法です。
スキャルピングやデイトレードのような短期的な値動きではなく、中期的なトレンドを狙って大きな利益を得る取引方法です。
短期間で売買することを想定していなため、常に取引画面を注視しなくても良いというメリットがあります。
ただし災害や相場の急変などで、予想外の方向に向かってしまうことがあるため、まったく放置していて良いわけではありません。
この後解説する、利益確定や損切りのための注文方法を活用して、より安心なスイングトレードを心がけてください。
長期トレード|FXの取引手法
数ヶ月、長い時は1年以上の単位で取引する手法です。
日々の小さな価格変動に一喜一憂する必要がないこと、金利が高い通貨を買えばスワップポイントによる利益を狙えることがメリットです。
一方、長期間保有するため資金の拘束期間が長い点がデメリットと言えるでしょう。
FX取引の注文方法
ここからはFXの注文方法を解説します。
- 成行注文
- 指値注文
- 逆指値注文
- OCO注文
- IFD注文
- IFO注文|FX取引の注文方法
こうした注文方法を使いこなすことで、取引の幅が広がります。各注文方法について1つずつ見ていきましょう。
成行注文
希望レートを指定せずその時の相場で売買する注文方法です。
簡単に購入できる一方、常に売買タイミングを監視している必要があります。
指値注文|FX取引の注文方法
今より有利なレートを指定して売買する注文方法です。
指値注文を設定しておけば、常にチャートを見ていなくても、指定した価格になれば自動的に注文されます。
ただし、指定した価格に達しなければ永久に注文が行われません。
逆指値注文|FX取引の注文方法
今より不利なレートを指定して売買する注文する方法です。
OCO注文|FX取引の注文方法
指値注文と逆指値注文を同時に注文する方法です。
IFD注文|FX取引の注文方法
新規注文と成立後の決済注文を同時に注文する方法です。
IFO注文|FX取引の注文方法
IFD注文とOCO注文を組み合わせた方法です。
指値で新規注文を行い、新規注文が成立したら利益確定の指値注文と、損切りの逆指値注文が同時に発注されるという仕組みです。
相場分析の方法
FX取引で利益を上げるためには、いくらの時に新規注文するのか?あるいは利益確定するかを見極めることが大切です。
こうした相場分析に使用するのが、チャート分析とファンダメンタルズ分析です。
以下2つの分析方法について解説します。
チャート分析(テクニカル分析)|相場分析の方法
チャート分析で使用するチャートは数多くありますが、最もよく知られているのはローソク足チャートです。
ローソク足とは一定期間の始値・終値・高値・安値を、1つのローソクのような形棒状の図形で表し並べたチャートのことを言います。
その他、代表的なチャートは以下の通りです。
- 移動平均線
- ボリンジャーバンド
- RSI
- MACD
1つのチャートだけではダマしもあるため、複数のチャートを組み合わせて使用することをおすすめします。
ファンダメンタルズ分析|相場分析の方法
ファンダメンタルズ分析とは、通貨を発行する国や世界全体の経済データを分析して、今後のトレンドを予測する手法です。
FX取引の為替レートに大きな影響を与えるのは、主に以下のような内容です。
- 経済指標(雇用統計・物価指数・GDPなど)
- 金融政策(各国中央銀行の金融政策発表など)
- 要人発言(FRB議長・日銀総裁の発言など)
- 地政学リスク(紛争や国同士のトラブル)
経済指標と金融政策を決める会議はあらかじめ日程が決まっており、多くのFX会社がカレンダーにまとめています。
トレードはしていなくても発表・決定された事項と値動きを1つ1つ照らし合わせて相場感覚を磨く練習も日々行っておくと良いでしょう。
FX初心者はデモトレードで実践経験を積む
FX取引は投資のなかでもリスクの高い部類に入ります。
またFX初心者は、購入するべき通貨を間違えたり、通貨を買うつもりが売りからスタートしたりといったミスも起こるでしょう。
こうした単純ミスであっても損失になれば、自分の大切な資金を失うことになります。
FX会社の中にはデモトレードを用意していることもあるため、初心者は必ずデモトレードでトレードの練習をしてから本番の取引を開始しましょう。
FX初心者がデモトレードで学ぶべきは、操作方法と相場感覚の会得です。
操作方法については、購入通貨や売買の方向を間違えずにできるか?そして、前述の指値注文や逆指値注文、OCO注文、IFD、IFO注文がスムーズにできるか?を確認しましょう。
また雇用統計やFOMCと言った重要指標の発表内容で、相場がどの方向にどれくらい動くのか?感覚をつかんでおくことも大切です。
FXは取引開始後も継続的な勉強が必要
FX取引は始めたらそれで終わりではありません。
トレードで失敗することもありますし、何十年ぶりかの円安局面を迎えるなど、過去に遭遇したことのない局面に出会うこともあるからです。
失敗を振り返り対策をたてたり、過去にない局面には、専門家のコラムを参考に対処したりするなどトレード開始後も継続的な勉強が必要です。
FXで勝ちたいなら常に勉強が必要
ここまでFX初心者の勉強方法と学ぶべき最低限の事柄を解説してきました。
まとめると下記の通りです。
- 現在多種多様な勉強方法があるが自身にあった方法で、信頼できる情報を得ることが大切
- FXで利益を出す方法は売買差益とスワップポイント
- FX用語・注文方法・チャート分析法など学ぶことは様々
- 勉強はFXを始めたら終了ではない、勝ち続けるためには常に勉強し続ける必要がある
FXはギャンブルではありません。基礎知識や相場分析などを積み重ねることで、勝率は上がっていくでしょう。
FX初心者は最初は覚えることが多く、まったく内容が分からないことがあるかも知れません。
しかし書籍やインターネットを活用して、地道に諦めずに知識の習得に努めていけば、FXでも利益が出せるようになりますよ。