2024.06.18 更新
そろそろ火災保険の更新時期なのですが、保険テラスでも火災保険は加入できるのですか?
はい、火災保険の取扱いもございますので、お申し込みまで可能です。火災保険は2024年10月以降に保険料率の改定があり、全国平均で13%値上げすると発表されているので、お早目に検討されることをおすすめします。
そうなんですね!今まで水災補償は付けていなかったのですが、付けるべきかどうか迷っていて…
水災補償は、2024年の改定に大きく影響する部分ですね。お客さまの家の構造や築年数、地域などによっても保険料は変わってくるので、いくつか補償パターンを比較して、考えていきましょう!
*この記事のポイント*
●2024年10月以降に実施される火災保険の改定について理解しましょう。
●火災保険でリスクに備える必要性について知りましょう
●必要な補償をしっかり見極めて、万が一の事故発生時に備えましょう。
■ 目次
・1.2024年10月以降に火災保険料が値上げへ 水災リスクも5段階に改定
・2.近年では集中豪雨などによる自然災害も増加!家に関する様々なリスクを知ろう
・3.火災保険の補償範囲について
・4.火災保険のチェックポイントについて
・5.まとめ
1.2024年10月以降に火災保険料が値上げへ 水災リスクも5段階に改定
損害保険会社が加盟する損害保険料率算出機構は、火災保険の参考純率を全国平均で13%上げると発表しました。(※)お客さまからお預かりする保険料のうち、事故が発生した際に保険会社が支払う保険金に充てられる部分を「純保険料」といい、純保険料率の参考数値を算出したものを「参考純率」といいます。
各保険会社がこの参考純率を基準にして保険料を決定することになります。具体的な値上げ率や時期は各保険会社によって異なりますので発表を待つ必要がありますが、中には既に公表している保険会社もあります。
ちなみに、保険テラスで取り扱いのある損害保険会社で、すでに改定を公表しているのは下記の保険会社です。(2024/6/14現在)
今回の保険料改定の主なポイントは、以下の2点になります。
①全国平均で、13%もの保険料値上げ
②水災リスクに対して地域による細分化の実施
◆改定ポイント①保険料の値上げ
火災保険料については、直近10年間をみても、既に4回ほど改定が行われています。2024年の改定については、全国平均で約13%の値上げといわれており、この10年の中で最大の値上げ率になります。
※自社作成データ
背景には、近年の自然災害の頻発による各保険会社の保険金支払い額増加、資材の高騰、人件費の上昇の影響による修理費の高騰化などが挙げられます。
なお、実際には地域、建物の構造、築年数などにより値上げ率は変わるため一律ではなく、場合によっては値下げとなる地域、あるいは値上げ率が30%を超える地域もあるなど、様々です。
都道府県別等地別の改定率の例は、下記のとおりです。
■都道府県別火災保険参考純率改定率の例
*保険金額:建物2,000万円 家財1,000万円 築10年以上の場合
[出典]損害保険料率算出機構『2023年6月届出 火災保険参考純率改定 都道府県別等地別の改定率の例』
※本資料に記載の数値は参考純率における改定率であり、実際に保険契約者の方が契約される保険会社の保険商品の改定率とは異なりますのでご留意ください。
◆改定ポイント②水災リスクに対して地域による細分化の実施
今回の改定のもう一つのポイントは、「水災料率の細分化」です。
水災補償の保険料率については今まで全国一律でした。しかし、水災リスクの違いによる保険料負担の公平化を図るため、水災被害が多い地域・少ない地域でリスク度合いに応じて、保険料の一番安い【1等地】から保険料の一番高い【5等地】まで、5段階に細分化することが決定しました。
これにより、水災料率を【細分化しなかった場合】と【細分化した場合】の保険料を比較したとき、1等地に該当する地域の保険料は、細分化しなかった場合よりも平均で約6%低い水準となります。また5等地に該当する地域の保険料は、細分化しなかった場合よりも平均で約9%高い水準となります。
そして、細分化することで最も高い地域は最も安い地域に比べて約1.2倍の保険料になります。
[参考]損害保険料率算出機構 『火災保険参考純率_水災料率の細分化について』
では、地域別にみてみるとどうなるでしょうか。ここでは例として、H構造(木造など)の場合の各都道府県の水災等地別改定率を掲載します。
■都道府県別火災保険参考純率 水災等地別の改定率
*保険金額:建物2,000万円 家財1,000万円 築10年以上の場合 H構造(木造など)
*各都道府県において、該当する市区町村がない場合は「-」とした。
次に、三大都市圏である東京都・大阪府・愛知県、そして改定率が最大・最小になる都道府県の改定率を比較してみてみましょう。
■M構造
■T構造
■H構造
※保険金額:建物2,000万円、家財1,000万円、築10年以上の場合を例に、改定率を示したもの。
※建物構造の種類
M構造:耐火構造の共同住宅 /T構造:M構造以外の耐火構造の建物、準耐火構造の建物 /H構造:M、T構造以外(木造など)の建物
[出典]損害保険料率算出機構『2023年6月届出 火災保険参考純率改定 都道府県別等地別の改定率の例』
※本資料に記載の数値は参考純率における改定率であり、実際に保険契約者の方が契約される保険会社の保険商品の改定率とは異なりますのでご留意ください。
上記のように、建物の構造はもちろんのこと、お住まいの地域によって、改定率にかなりの差が出ることがわかります。場合によっては改定後のほうが安くなるケースもあります。
水災補償をつけることを検討している方は、損害保険料率算出機構のサイト「水災等地検索」で、一度ご自身が住んでいる地域が何等地に該当するかを確認してみることをおすすめします。
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2.近年では集中豪雨などによる自然災害も増加!家に関する様々なリスクを知ろう
火災事故はもちろんのこと、ゲリラ豪雨・洪水、台風、地震などの自然災害により家屋や家財が被害を受けると、修理代や買い替え費用等、場合によっては多大な費用がかかることもあります。
どのようなリスクがあるのかを知り、万が一の事態に備えることが大切です。
◆火災に関するリスク
①火災を起こした場合
自宅から出火して自宅の建物や家財が燃えてしまったら、あらためて建物を建て替えたり、修理をしたり、家財を購入したりする必要性が発生します。そしてそれだけではなく、火災事故の後の片付け費用や緊急時の仮住まいの費用等の臨時でかかる費用も必要になる可能性もあります。
②近隣からの火災に巻き込まれた場合
火災事故が発生する可能性は自宅からの出火ばかりではありません。
いくらご自身が火災事故を起こさないように十分に注意していたとしても、近隣から燃え移るなど、巻き込まれる可能性もあります。
ここでご注意いただきたいのは、出火先からの補償が必ずあるわけではないという点です。
なぜなら、出火先の重大な過失がない限り「失火責任法」と言われる法律で、出火先は損害賠償責任を負わなくてよいことになっているからです。
例えば下記のような場合は、【重大な過失】として認められないケースが高いです。
●仏壇のローソクに火をつけていたが、何かの拍子でローソクが倒れて出火した場合。
●コンセントにホコリがたまっていたが気付かずに何かの拍子で出火した場合。
逆に以下のような場合は、【重大な過失】として認められた過去の実績があります。
●台所のガスコンロに天ぷら油の入った鍋をかけて加熱中、その場を離れて出火させた場合。
●たばこの吸殻が完全に消えたことを確認せず、その吸殻を紙類が入ったビニール製ごみ袋に入れて放置したまま外出し、出火した場合。
どのような場合が重大な過失と判断されるかは個々の案件により異なるため一概には言えませんが、近隣から出た火災によって自分の家が焼失してしまった場合でも、損害賠償請求ができない可能性があるのです。
また、重大な過失が認められ損害賠償請求が可能であったとしても、出火先に充分な賠償資力がないため、賠償してもらえないことも考えられます。
そのため、自分の家からの出火の場合だけでなく、近隣からの延焼火災に備える意味でも、ご自身で火災保険を契約しておくことが必要になります。
◆地震が発生した場合のリスク
日本は地震大国といわれており、これまでも幾度となく大地震に見舞われてきました。
内閣府が出している「防災白書」によると、世界全体に占める日本の災害発生割合は、マグニチュード6以上の地震回数18.5%、活火山数7.1%、災害被害額17.5%など、世界の0.25%の国土面積に比較して非常に高くなっていることがわかります。
■マグニチュード6.0以上の地震回数
■活火山数
■災害被害額(億ドル)
[参考]内閣府『平成26年度防災白書 ー附属資料1 世界の災害に比較する日本の災害被害ー』
ちなみに、火災保険に加入しているだけでは地震等の損害を補償することはできません。また、地震保険のみでご加入することもできません。
地震・津波・噴火による損害の補償については、火災保険とセットで「地震保険」の加入が必須になりますので注意が必要です。
◆自然災害が発生した場合のリスク
最近はゲリラ豪雨や洪水・土砂崩れ等の自然災害の発生がかなり増えています。
理由としては、世界的な地球温暖化に伴い、日本の年平均気温が上昇していることが影響しています。
気象庁による「日本の年平均気温偏差の経年変化(1898〜2023年)」によると、100年あたりで1.35度の割合で日本の年平均気温は上昇しており、特に1990年代以降に高温となる年が頻出しているようです。
[図引用]気象庁『日本の年平均気温偏差の経年変化(1898〜2023年)』(※最終更新 2024/1/4時点のものを使用)
気温の上昇に伴い雨量も多くなるため、今後もますます豪雨災害は増えていくことが予想されます。
特に河川や山のそばに住んでいる方は自然災害の影響を受ける可能性は高くなるでしょう。
自宅付近の災害リスクをハザードマップで確認し、火災保険での必要な補償内容を決めることをおすすめします。
3. 火災保険の補償範囲について
このようなリスクを幅広くカバーしてくれるのが火災保険です。
火災保険の具体的な補償対象には、下記のようなものがあります。
❶火災、落雷、破裂・爆発
失火やもらい火による火災の被害や、落雷による損害、また爆破・爆発(気体または蒸気の急激な膨張を伴う破壊)による損害を補償します。
❷風災、雹災、雪災
台風や竜巻などによる風災被害、雹や豪雪・雪崩などの雪災被害を補償します。
例えば、台風や雹で家の窓ガラスが割れてしまった、車庫の屋根が飛ばされてしまった等のケースが補償対象になります。
❸水濡れ
給排水設備の破損や、詰まりによって発生した漏水、放水による被害を補償します。配管の経年劣化による水漏れ、また給排水設備の修理代などについては補償対象外ですので注意が必要です。
❹盗難
強盗、窃盗、あるいはこれらの未遂によって発生した損傷・汚損などの被害を補償します。家財に対する補償を付けていることが条件です。
❺水災
台風や暴風雨、近年日本でも多発しているゲリラ豪雨などによる洪水・高潮・土砂崩れ・落石による被害を補償します。(保険会社や保険商品によって、水災補償の支払い基準が異なる場合があります)
❻不測かつ突発的な事故(破損、汚損等)
❶~❺以外の、日常生活中に自宅で起きた、故意ではなく偶発的・突発的な事故による被害を補償します。例えば、うっかりテレビを落として壊してしまった、子供がボールで遊んでいて窓ガラスを割ってしまった、などのケースが該当します。
火災保険の基本的なしくみ、補償内容については、『そもそも火災保険とは?補償内容や必要性を解説!』をご確認ください。
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4.火災保険のチェックポイント
お住いの住居が戸建住宅やマンション・アパートでご自身の所有か賃貸かにもよって必要な補償は変わります。また、お住いの地域・地形によってハザードマップを活用しながら災害リスクを確認して、補償内容を選択する必要性があります。
火災保険の更新が近い方、見直しを検討されている方は、保険料値上げ改定前に一度補償内容を確認することをおすすめします。
保険料をお安くするポイントは、
●保険契約の長期化を検討する。
●自動車保険や傷害保険など他の損害保険で重複している補償が無いかを確認し、ムダを省く。
●免責金額(※自己負担額)を設定することや免責金額を増額する。
などがあります。
ただし、注意したいのは以前に火災保険の長期契約をされている方です。
火災保険には長期契約割引というものがあり、契約期間が長いほどその割引率は大きくなります。
過去、2015年10月より以前は最長で36年まで契約が可能でした。2015年10月以降からは最長契約期間が10年となり、さらに2022年10月から行われた火災保険の改定では、契約できる保険期間の最長期間が10年から5年に短縮変更されました。
そのため、当時に長期契約をした方であれば保険料は割安になっているはずですので、「保険料の見直し」という点では見直す必要性は少ないかと思われます。
ただ、契約当時と環境が変化し、近年の頻発している自然災害に対応できる補償内容となっているか、という点については、今一度しっかりと確認することが大切です。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本は自然災害が多く発生する国です。火災保険については直近では毎年のように改定があり、全体の傾向としては値上がり改定となっております。ただし住んでいる土地や建物構造によっては値下がりする場合もありますので、少しでも気になっている方は、このタイミングで、火災保険の見直し検討をおすすめします。
全国の「保険テラス」でも、火災に備える保険についてご相談いただけます。
火災保険の見直しについてのほか、総合的に保険の見直しについてもご提案をいたします。