2020.06.10 更新
テレビCMで、健康であればあるほど保険料が安くなる、という保険会社のCMを見ました。最近になってよく見かけるようになった気がするのですが、どのような仕組みなんでしょうか?
おそらくお客さまがCMでご覧になったのは、【健康増進型保険】と呼ばれる商品だと思います。健康診断などで健康状態がいい結果だと、保険料が割引になる特典がついているんです。
へえ~。私は普段から健康には気を遣っている方なので、もしかしたら保険料が安くなるのかも…!健康増進型保険について、ぜひ詳しく教えてください!
かしこまりました。健康増進型保険の主な内容や特徴をご説明いたしますね。
1. 健康なら保険料が割引に?今注目の「健康増進型保険」とは?
「健康増進型保険」とは、保険加入後に健康増進への取り組み、つまり健康状態の改善を行うことによって、保険料の割引や還付金の支払いなど、キャッシュバックがある特典がついた保険のことです。
主契約となる保険にオプションとして付加するものがほとんどで、保障内容は病気や怪我になった際の医療費への備えが主となっており、通常の医療保険の内容と変わりはありません。
「健康増進型保険」は、近年の健康志向上昇といった社会的な動向を踏まえて誕生した保険で、健康な人ほど保険料が安くなったり、還付金としてキャッシュバックを受け取ることができます。
つまり、普段から健康志向の方にはぴったりの保険だといえます。
◆加入後、どうやって保険会社は健康状態を把握するの?
保険加入後の健康状態は、毎年の健康診断の結果や、加入後に保険会社から無償で貸与される「ウェアラブル計測器」(※心拍数などのデータを計測できる活動量計)を用いて保険会社にデータを提出することになります。
「ウェアラブル計測器」では、毎日のウォーキングやランニングの歩数を計測することができ、保険会社の中には『1日平均で何千歩歩くと、2年後に還付金を支払いますよ』という商品も存在します。
また、運動や食事だけでなく、加入後に禁煙に成功し、喫煙者から非喫煙者となった場合にも保険料割引の適用が受けられる商品もあるようです。
このように、健康状態に関するデータを基に、各保険会社のルールに則って保険料をいくら割引きにするか、いくら還付金を支払うか定めるというのが「健康増進型保険」の仕組みです。
≪豆知識≫「健康増進型保険」が登場した背景を知っておこう!
最近になって「健康増進型保険」が登場した背景には、先ほどご説明したようなウェアラブル機器(例:スマートウォッチ)やIoT(※”Internet of Things”の略で、”モノをインターネット経由で通信すること”)の普及が大きく関係しています。
今では、スマートウォッチなどのウェアラブル機器を使って、1日の運動量から消費カロリーが自動的に計算されたり、睡眠時間の計測、体重やBMIなどのデータを気軽に管理することが当たり前のようになっています。
また、2017年からはスポーツ庁が日本全国の企業や団体と連携し、「FUN+WALK PROJECT」というプロジェクトを発足しています。
毎年、プロジェクト期間を「歩く強化月間」として、楽しくたくさん歩くことを推進するなど、国としても健康増進のための取り組みが実施されるようになってきました。
「健康増進型保険」の登場には、このような近年の最先端の情報技術の進化、そして国の健康増進のためのプロジェクト推進があって誕生した、という背景もあるのです。
2.「健康増進型保険」の保険料割引額や還付金はどれぐらい?
現在、各保険会社からいろいろなタイプの「健康増進型保険」が発売されています。
実際に加入した場合、どれぐらい保険料が割引になったり、還付金を受け取れるのでしょうか。
各保険会社が発売しているいくつかの「健康増進型保険」を例に、キャッシュバックのシミュレーションをしてみました。
≪パターン1≫健康診断の結果に基づいてキャッシュバックがある保険
まずは、30歳で「健康増進型保険」に加入した女性を例に、健康診断結果に基づいたキャッシュバックをシミュレーションしてみましょう。
保障内容は、医療保障・がん保障・介護保障・死亡保障とし、保険期間は10年間と設定しました。
この健康増進型保険では、加入後に毎年の健康診断の結果を保険会社に提出することになっています。
その提出された健康診断の結果を保険会社は規定の項目ごとにポイント化し、その合計ポイントに基づいて、毎年いくら保険料をキャッシュバックするか算出します。
この女性が加入した保険の場合、項目としてチェックされるのは、身長と体重から算出されるBMI、血圧、尿糖・尿蛋白、中性脂肪、肝機能の数値です。
保険会社は、これらの項目の数値をそれぞれ各社の基準に当てはめて判定します。
女性は全ての項目において健康状態が良好でAランクと判定され、年間払込保険料のうち、1ヵ月分の保険料がキャッシュバックされることになりました。
≪パターン2≫「健康年齢」に基づいて保険料が割安になる保険
次は、「健康年齢」に基づいて保険料が算出されるタイプの「健康増進型保険」を例にシミュレーションをしてみましょう。
その前に、そもそも「健康年齢」とは何なのか、をご説明いたします。
「健康年齢」とは、一言で言うと『自身の健康状態を年齢に換算したもの』です。
そのため、例えば実年齢が30歳であっても、健康状態が良好な場合、健康年齢は実年齢よりも若い25歳という結果になることもあります。
健康年齢の計算は、生年月日、健康診断の結果、性別などのデータを用いて簡単に算出することができます。
無料で健康年齢を計測できるサイトもありますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
この「健康年齢」に基づいて保険料が算出される「健康増進型保険」の場合、実年齢よりも健康年齢が若いと保険料が割安となる商品があります。
例えば、実年齢50歳の男性が健康年齢で保険料を算出するタイプの「健康増進型保険」に加入し、健康年齢を計測した結果、実年齢より若い45歳だった場合は、年間の保険料が約18,000円も割安となります。
今回は2パターンの「健康増進型保険」をご紹介しました。
健康状態を維持し続けることで保険料が割安となることがある保険なため、自身の健康に対するモチベーションの向上にも繋がるでしょう。
3. 健康増進型保険に加入するときの注意点は?
それでは、もし実際に「健康増進型保険」への加入を検討することになった際、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
健康増進型保険の注意ポイントをご説明します。
◆健康状態が加入後に悪化した場合、保険料が割高になることも
健康状態が良好であるほど保険料が割安になる健康増進型保険ですが、反対に加入前より健康状態が悪化した場合など健康診断の結果によっては、保険料が割高になってしまう商品も存在します。
また、もともと健康状態がとても良い方の場合、それほど加入後も健康状態が変わらず大きなキャッシュバックを受けることができない方もいるようです。
健康状態にもともと不安がある方や、運動が苦手な方は「健康増進型保険」のメリットを受けることが難しいでしょう。
各保険会社の規定によって異なるため、健康状態が悪化した場合などに保険料はどうなるのか、事前に確認しておくことが重要です。
◆加入前にキャッシュバックがいくらになるのか確定することが難しい
「健康増進型保険」の一番のメリットは、保険料の割引や還付金の支給ですが、このキャッシュバックの金額は加入後の健康状態の良し悪しに基づいて判断されるため、加入前にどれぐらい自身が受け取れるのか確定させることはできません。
そのため、加入検討時に「健康増進型保険」以外の保険との比較・検討が難しいというデメリットもあります。
他の保険商品と「健康増進型保険」を比較する際は、保障内容が被っていないか、何年保障を持っておきたいのかなど、ぜひプロのファイナンシャルプランナーに相談しながら選んでいくことをおすすめいたします。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
「健康増進型保険」は近年の社会的な健康志向に対する需要と、情報技術の進化によってうまれた新しい形の保険であることがお分かりいただけたと思います。
健康であればあるほど、さまざまな判断基準に則って保険料が割安となる「健康増進型保険」ですが、「もし加入後に健康状態が悪化した場合はどうなるんだろう…」など、さらに詳しい保険内容を知りたいと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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