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保険コラム

「親が認知症に」保険の契約確認や給付金請求を家族が代理手続きする方法
生命保険保険の基礎知識老後介護

お客様

友人のお父さんが認知症になってしまったみたいで。介護も大変そうなのですが、お父さんの銀行口座の管理や、生命保険の給付金の代理手続きでかなり苦労したという話を聞いて。

スタッフ

普段行わないような難しい手続きばかりですし、ご友人の方はかなりご心労が絶えなかったことでしょうね…。

お客様

私の両親も友人のお父さんと同じぐらいの年齢ですし、他人事ではないなと思いました。でも、もしも認知症になった時の話なんて親としたことがないし、お金周りの仕組みや手続きは何も知らなくて。いざという時、あたふたせずに済むように事前に把握しておきたいんです。

スタッフ

事前に知っておくことで、いざ家族が認知症になった時、どこに問い合わせて何をすべきなのか、スムーズに対応することができます。実際に保険テラスに寄せられた認知症に関するお問い合わせ事例もご紹介しながら、詳しくご説明いたします。

■ 目次
1.認知症の現状について
 認知症ってどんな病気なの?
 ≪豆知識≫ 認知症ともの忘れの違い
 2025年には65歳以上の人のうち、5人に1人が認知症に?
2.認知症の人が増え中で、保険に関する問い合わせも増加
 ① 契約内容の確認方法(契約者本人が認知症の場合)
 ② 給付金の申請方法(契約者本人が認知症の場合)
 ― 【A】「成年後見制度」による代理請求
 ― 【B】「指定代理請求特約」による代理請求
3.認知症になってしまう前に…あらかじめできる対策
4.生命保険協会が一括で契約の有無を確認してくれる制度が誕生
5.まとめ

1.認知症の現状について

超高齢化社会である日本では、高齢者の増加に伴い、年々認知症患者の数も増加しています。

2020年には65歳以上の高齢者のうち、認知症の患者さんは約602万人となっており、6人に1人が認知症を発症しています。

参考:命保険文化センター「認知症患者はどれくらい?」

■認知症ってどんな病気なの?

「認知症」とは、何らかの病気によって脳の神経細胞が壊れ、記憶障害や判断力の低下を引き起こし、日常生活や対人コミュニケーションに支障をきたすほどの症状や状態のことをいいます。

認知症の原因となる病気の種類はさまざまありますが、多くは「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症(FTD)」「血管性認知症」によるものがほとんどです。

認知症、と一言に言ってもどの病気が原因なのかによって症状も異なります。

① アルツハイマー型認知症

認知症と聞くと、アルツハイマー型認知症を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
認知症の方のうち、約50%がアルツハイマー型認知症だと言われています。

・もの忘れ
・ものを盗まれたと妄想する
・時間、場所、人物の認識ができなくなる
・服の着脱、コンロの火をつけられないなど道具の使い方が分からなくなる

② レビー小体型認知症

アルツハイマー型認知症の次に多いのが、レビー小体型認知症です。
全体の約20%がレビー小体型認知症であると言われています。

「レビー小体」というのは、脳の神経細胞にできるたんぱく質のかたまりで、このかたまりが神経細胞を傷つけ、認知症を引き起こしてしまいます。

・もの忘れ
・睡眠時の異常行動
・幻覚(実際には存在しないものが見える)
・身体の震えや筋肉の硬直(パーキンソン症状)

③ 前頭側頭型認知症

認知症の方のうち、約15%がこの前頭側頭型認知症であると言われています。
記憶障害が主な症状となる「アルツハイマー型認知症」「レビー小体型認知症」と比べて、人格や行動に変化が出ることが多く、衝動的な行動や暴力など、社会性が欠如した行動をとってしまうことが前頭側頭型認知症の大きな特徴です。

・社会性の大幅な欠如(万引き行動、暴力を振るうなど)
・同じ行動を繰り返す
・失語(言葉の意味が理解できず、適当な会話が困難)

④ 血管性認知症

血管性認知症は、脳梗塞や脳出血によってその周り神経細胞もダメージを受けることで発症する認知症です。

・うつ状態(意欲低下、感情の起伏が激しくなる)
・手足の麻痺、障害
・言語障害

参考:レビー小体型認知症サポートネットワーク厚生労働省「知ることから始めよう みんなのメンタルヘルス(総合サイト)」難病情報センター日本神経学会「(6章)血管性認知症」
  

≪豆知識≫「認知症」と「もの忘れ」の違いって?

何か予定を忘れてしまったり、どこに物を置いたのか忘れてしまったり、日常の中で忘れることや思い出せないことが増えると「もしかして認知症なのかも…?」と不安になる方もいらっしゃるかと思います。

ただ、「認知症」と加齢による「もの忘れ」は、症状こそ似ているものの全く異なるものです。

実は、「認知症」と「もの忘れ」のどちらなのか、ご自身で見分ける方法があります!

下のセルフチェック表で早速確認してみましょう。

例えば、「昨日の夜ご飯は何を食べましたか?」という質問に対して「何を食べたんだっけ…?」とメニューの中身を忘れてしまうのが「もの忘れ」、食事をしたのにも関わらず「夜ごはんは食べていません」と食べた行為そのものを忘れてしまっていると、「認知症」の可能性があると考えられます。

■2025年には65歳以上の人のうち、5人に1人が認知症になる!?

厚生労働省の発表によると、2025年には認知症の人の数が700万人に昇ると推測されています。
これは、65歳以上の人のうち、5人に1人が認知症になる計算です。

また、認知症は若くても発症する可能性があります。18歳以上65歳未満の人が発症する認知症を「若年性認知症」と呼び、全国で約4万人の人が若年性認知症になっています。

高齢者のうち、5人に1人が認知症になる可能性、そして若い人でも若年性認知症になる可能性があることを踏まえると、認知症は誰にでも起こりうる身近な病気であることが分かります。

(厚生労働省発表:https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_recog.html
   

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2.認知症の人が増えている中で、保険に関する問い合わせも増加

このように年々認知症の人が増えている中で、「親が認知症になってしまったが、本人がどこの生命保険に加入していたのか覚えておらず分からない」「保険金の受け取り手続きを家族が代わりにすることは可能なのか」など、生命保険の契約者本人が認知症になってしまった場合に、ご家族の方からお問い合わせをいただくケースについても増加しています。

実際に、契約者本人が認知症となってしまった場合、周りの家族はどのように対応すればよいのでしょう。

ここでは、想定される2パターンの事例をもとにご紹介します。

① 契約内容の確認方法(契約者本人が認知症の場合)

もし加入している保険会社名が分かる場合、契約内容を照会することが可能です。
保険会社ごとの規定によりますが、基本的には「配偶者」「配偶者がいない場合は被保険者と生計を一にする親族」が契約者本人に代わって、契約内容を確認することができます。

ただし、保険の契約内容の問い合わせは、原則契約者本人からとなっていますので、問い合わせの際に保険会社に事情を説明する必要があるでしょう。
  

② 給付金の申請方法(契約者本人が認知症の場合)

契約内容の照会と同じく、契約者本人に給付申請の対応が困難な際、「配偶者」「配偶者がいない場合は被保険者と生計を一にする親族」が代理で手続きを行うことが可能な場合があり、方法は大きく2パターンあげられます。

【A】「成年後見制度」による代理請求

「成年後見制度」は、何らかの原因により、契約者本人の判断能力が低下した際に、後見人が代理手続きなどの権利を持って、本人の財産管理をサポートする仕組みです。

成年後見制度は、「成年」とあるように後見人の対象は成人に限られます。

認知症により成年後見制度を利用する必要がある場合、まずは家庭裁判所に認知症の病状などから鑑定を依頼し、後見人は誰が適切なのかを判断してもらいます。

その後、指名された後見人が代理で財産管理などを行うことができるようになり、生命保険に関しても給付金の代理手続きなどを行えるようになります。

≪豆知識≫「成年後見制度」は口座凍結の対応にも役立つ!

認知症になると、本人の財産を守るために銀行は一部の取引(出金・契約変更)を制限します。
死亡時に口座凍結が行われることをご存知の方は多いと思いますが、認知症の発症でも取引が制限されるというのは驚きですよね。

家族が制限された口座から資産を管理するためには、「成年後見制度」で後見人として指定されなければいけません。

認知症の介護費用などを本人の口座にある預金でカバーしようとしても、後見人として認められていなければ引き出すことができないので注意が必要です。

【B】「指定代理請求特約」による代理請求

「指定代理請求特約」を付加している場合、被保険者が意思表示できないような状態になった場合、あらかじめ指定された「指定代理請求人」が代理人として保険金や給付金の手続きを行うことができます。

「指定代理請求人」は、保険加入時にあらかじめ指定するものです。契約後であっても、被保険者の同意を得ていれば、新たに指定代理請求人を設定することや、変更することができます。

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3.自分が認知症になってしまう前に…あらかじめできる対策がある!

認知症は突然発症する病気ではなく、症状は徐々に進行していきます。

契約者本人が認知症を発症した場合でも、判断能力が著しく低下してしまう前に、また若い方でも将来認知症になってしまうリスクを踏まえて、周りの家族に迷惑をかけないよう、あらかじめできる対策があります。

参考:生命保険協会「認知症対策に関する情報冊子「生命保険契約者のみなさまへ 家族と備える認知症」(2021年2月19日)


2025年には5人に1人が認知症になると言われている時代です。万が一、自分が認知症になってしまった場合、できる限りスムーズに周りの人にサポートしてもらえるよう、事前準備しておくことも大切ですね。

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4.生命保険協会が一括で契約の有無を確認してくれる制度が誕生

それでは、どの保険会社の生命保険に加入しているのか、またそもそも加入しているのかしていないのかも分からない場合はどうすればいいのでしょう。

全ての保険会社に手あたり次第、契約があるのかどうかを問い合わせるのは現実的ではありませんよね。

実は、2021年7月1日から生命保険協会が認知症の人がどの保険会社の生命保険に加入しているか、家族が個別に保険会社に問い合わせなくても、生命保険協会に問い合わせれば、生命保険協会が加盟している全42社に一括確認し、家族に回答してくれるという新たな制度がスタートしました。

問い合わせは、生命保険協会のホームページで申込み、そのままネット上か郵送で保険契約者本人との関係を証明する書類や、認知症である旨が記載されている診断書を提出します。

生命保険協会に照会すると1回あたり3,000円の手数料がかかりますが、わざわざ個人でたくさんの保険会社に問い合わせしなくてもいいため、かなり負担を軽減できるでしょう。

もし認知症になった人がどの保険会社の保険に加入しているのか全く分からない場合は、ぜひ活用したい制度です。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。

認知症は誰にとっても身近な病気です。自分だけでなく、周りの家族が認知症になるかもしれないというリスクを踏まえて、事前に家族同士で話し合ったり、資産管理の代理手続きができる後見人を決めておくことをおすすめいたします。

保険テラスでは、保険に限らず「お金」にまつわるさまざまなご相談を承っております。
「今は極力外出を控えたい」「子供を連れて店舗に行きにくい」といったお客さまには、オンライン相談サービスも実施しています。

保険やお金について少しでも不安がある方、聞きたいことがある方は、ご質問だけでもかまいませんのでお気軽にお立ち寄り下さい。

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