2019.12.01 更新
*この記事のポイント*
●長期間働けなくなったときにもらえる「傷病手当」の受給条件を把握しておきましょう。
●傷病手当などの保障がない、自営業の方はとくに注意が必要です。
●みんながどんな方法で準備しているかを知り、事前準備の方法を考えていきましょう。
もしも家計を支える一家の大黒柱が働けなくなってしまったら…。
短期間であれば、貯蓄で何とかやりくりできるかもしれませんが、長期間その状態が続くと生活が厳しくなってしまいますよね。
今回のコラムでは、「もしも長期間働けない状態」になった場合に、公的制度でどれくらい補えるか・どのように備えればよいかをお伝えします。
1.もしも一家の大黒柱が「長期間働けない状態」になったら…
最近は入院期間なども短期化しているといわれていますが、病気やケガの種類によっては平均入院日数が2ヶ月を超える病気もあります。
例えば会社員の方であれば、その間勤務することができない状態になりますよね。
このように、今までやっていた仕事ができなくなる状態を「労務不能」といいます。
そして、病気やケガで入院、または在宅療養により今までの仕事以外の仕事も含めて、長期間 “全く”働けなくなる状態を「就業不能」といいます。
いずれの場合も、仕事に復帰できるようになるまでは収入が途絶えてしまうため、一家の大黒柱が「労務不能」「就業不能」に陥ってしまったら、生活が苦しくなってしまいます。
2.働けなくなったときにもらえる手当て
一定期間働けない状態になったとき、健康保険に加入している会社員や公務員の方であれば、「傷病手当」を受給することができます。
傷病手当は最長で1年6ヶ月、今までもらっていたお給料の2/3が給付されるため、長期間仕事ができない方にとっては心強い制度です。
給付にはいくつかの条件があるため、確認しておきましょう。
■傷病手当を受け取る時の条件
・条件1
業務外での病気やケガのために療養している
・条件2
今までやっていた仕事をすることができないと医師に判断される(労務不能)
・条件3
4日以上仕事に就けない
・条件4
休業した期間、給与の支払いがない
「現在の会社を退職したら、傷病手当は受け取れなくなるのでは?」と考えがちですが、在職中から労務不能の状態が続いている場合、下記の条件を満たせば受給することができます。
■退職後も傷病手当を受け取れる条件
・条件1
退職日までに継続して1年以上の被保険者期間(健康保険任意継続の被保険者期間を除く)があること
・条件2
退職時に傷病手当金をうけている、もしくは受ける条件を満たしていること
※退職日に出勤したときは、継続給付を受ける条件を満たさないため退職日の翌日以降の傷病手当は支払われないので注意
また、障害認定を受けていれば「障害年金」も受給可能です。
ただし傷病手当金と同時受給はできず、原則として障害年金を受け取る場合は、傷病手当金の受給は停止になります。
(障害年金の金額が傷病手当金より少ない場合は、その差額分の傷病手当金を受給できます)
3.自営業の方は注意!働けなくなったその日から収入が0円になる可能性も
長期間働けなくなった場合、より心配なのは自営業やフリーランスの方です。
国民健康保険には「傷病手当」などの給付はありません。
そのため、働けなくなったその日から収入が0円になる可能性も。
自営業の方はとくに、ご自身が長期間働けなくなったときの金銭的リスクがどれくらいあるのか把握し、事前に準備しておく必要があるでしょう。
4.働けなくなったときに備えて、みんなはどうやって準備している?
たとえ傷病手当などの給付があったとしても、就業中に比べると金額が減り、給付期間も定まっているため、経済的な備えに対して不安に感じる方は多くいらっしゃいます。
<世帯主が就労不能になった場合の必要資金に対する安心感・不安感>
出典:生命保険文化センター「平成27年度 生命保険に関する全国実態調査」
<世帯主が就労不能となった場合に必要な生活資金月額>
出典:生命保険文化センター「平成27年度 生命保険に関する全国実態調査」
就業不能になったときのために、さまざまな手段で準備をされているようです。
<現在準備しているもののうち、期待できる準備手段>
出典:生命保険文化センター「平成27年度 生命保険に関する全国実態調査」
最近では、生命保険でも就業不能に対して保障される保険も出てきており、皆さんさまざまな手段で準備をしているようです。
ただし、保険商品によって保険金給付条件はかなり異なってくるため、保険で備えることを検討されている方は、どんな状態になった場合に保険金が給付されるのか、しっかり把握してから加入するようにしましょう。
5.まとめ
いかがでしたか?
世帯主の方がもしも病気やケガで長期間働けなくなってしまったら…。
いつ復帰できるのか目処が立つまで時間がかかる場合もありますし、収入が大幅にダウンしてしまう可能性も高いため、元気な今のうちからしっかり考慮して準備しておきましょう。
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