住宅購入後の生命保険の話~住宅ローンと生命保険の見直しについて~ | 保険テラス

2026.04.03 更新

この記事のポイント

  • 住宅ローンを組むと、ほとんどの場合、団体信用生命保険に加入することになります。
  • 住宅ローンを組む以前に生命保険に加入していた方は、保障が重複してしまう可能性があります。
  • 団信に加入しなかった場合は、生命保険の保障を手厚くする必要があります。

住宅を購入し、住宅ローンを組む際、ほとんどの金融機関では団体信用生命保険への加入を条件としています。

しかし、それまでに生命保険に加入している方も少なくないでしょう。

今回は、住宅を購入したときの生命保険の見直しについてご紹介します。

1.団体信用生命保険への加入

冒頭でも説明した通り、住宅ローンを組む際、ほとんどの金融機関では団体信用生命保険への加入を条件としています。
※フラット35の場合は任意

団体信用生命保険とは

住宅ローンを組んだ方が死亡、または高度障害状態になった場合に、その保険金でローンの残金が完済されるという仕組みの保険です。
略して「団信」と呼ばれています。

「団信」は健康状態によって加入できない場合がありますが、「ワイド団信(引受基準緩和型団体信用生命保険)」であれば、健康上の理由で団信に加入できない方でも加入できる可能性があります。

フラット35とは

住宅金融支援機構が民間の取扱金融機関と共同で提供する、最長35年の長期固定金利型の住宅ローンです。

フラット35で住宅ローンを組んだ場合は、団体信用生命保険への加入は任意となります。

返済期間を長く取ることで、月々の負担をなるべく減らしたい方におすすめの住宅ローンです。

団体信用生命保険に加入すれば、住宅ローンの返済途中で契約者に万が一のことがあったとしても、残された遺族の住宅ローン返済は全額免除となります。

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2.住宅を購入したときの生命保険の見直しポイント

住宅購入は、生命保険の保障内容を見直す良いタイミングです。ここでは、よくある家族構成をモデルに、具体的な金額を挙げながら見直しのポイントを解説します。

【モデルケース】
・夫35歳(会社員・年収500万円)
・妻33歳(専業主婦)
・子ども1人(3歳)
・住宅ローン3,500万円(返済期間35年・団信加入)
※住宅購入前は、死亡保障4,000万円の定期保険に月額約8,000円で加入していたとします。

ポイント①保障が重複・不足がないか確認する

団信に加入している場合、万が一の際に住宅ローンの残高(このケースでは最大3,500万円)が免除されます。つまり、「住居費に相当する死亡保障」はすでに確保されている状態です。

そのため、住宅購入前から加入していた死亡保障が、そのままだと保障が重複している可能性があります。

では、このモデルケースで、実際にいくらの死亡保障が必要かを考えてみましょう。遺族が必要とする費用を、概算で試算してみます(実際の必要保障額は世帯によって差があります)。

生活費(月25万円×20年分):約6,000万円
子どもの教育費(幼稚園〜大学):約1,000万円
合計:約7,000万円

ここから遺族年金や貯蓄、団信による住居費の免除分を約4,500万円相当と仮定します。

遺族年金:約3,000万円
貯蓄:約1,000万円
団信(住宅ローン完済):約500万円
合計:約4,500万円

差し引きすると、生命保険で備えるべき保障額は約2,500万円が一つの目安です。

住宅購入前は4,000万円の死亡保障が必要だった場合でも、団信加入後は約2,500万円へ減額できる可能性があります。保険商品にもよりますが、現在の月額約8,000円の保険料を抑えられるケースもあるでしょう。

ただし、団信ではカバーされない「生活費」「教育費」「医療費」などは、引き続き別の生命保険で備えることが必要です。例えば、住宅ローン返済中に病気やケガで働けなくなった場合に備え、就業不能保険や医療保険を手厚くしておくという方法も有効です。

ポイント②団体信用生命保険に加入しない場合は保障を厚くする

フラット35のように、団信への加入が任意の住宅ローンもあります。団信に加入しない場合、万が一のことがあっても住宅ローンは完済されず、遺族が返済を続けていく必要があります。

先ほどのモデルケースで考えると、団信に加入しなかった場合、生活費や教育費などで必要な約2,500万円に加え、住宅ローン残高の約3,500万円も備えなければなりません。つまり、必要な死亡保障額は合計約6,000万円です。

団信に加入していれば保障額を減らす選択肢がありましたが、団信に加入しない場合は現在の死亡保障4,000万円だけでは不足します。不足分である約2,000万円を、別途準備する必要がある計算です。

この追加保障を用意する方法としては、住宅ローン残高の減少に合わせて保障額も減っていく「逓減定期保険」や、毎月一定額を受け取れる「収入保障保険」が適しています。どちらも通常の定期保険より保険料が抑えられることが多く、家計への負担を軽減しながら必要な保障を確保できます。

3.「団信の特約」vs「民間の医療・がん保険」どっちが得?

住宅ローンに加入する際の団体信用生命保険(団信)は、基本的には「死亡・高度障害」を保障する仕組みですが、金融機関によってはがんや三大疾病、就業不能などに備える特約を付けられる商品もあります。

これらは一般的に「がん保障特約付きの団信」「三大疾病保障特約付きの団信」などと呼ばれ、病気になった際に住宅ローン残高が完済される、あるいは返済が一定期間免除されるといった仕組みです。

このような特約があるため、「団信の保障を充実させるべきか、それとも民間の医療保険やがん保険で備えるべきか」と迷う方も多いでしょう。

結論として、どちらか一方だけを選ぶという考え方は得策ではありません。団信の特約と民間の医療・がん保険は、そもそも備える目的が異なるためです。それぞれの役割を理解し、バランス良く組み合わせることで、過不足のない備えができます。

団信の特約の目的は、「住宅ローン返済のリスクをなくすこと」です。例えば、がん保障特約付きの団信は、がんと診断された時点でローン残高が完済される仕組みです。数千万円規模の家計負担が一度に解消されるので、家計への影響は大きいでしょう。

ただし、注意点もあります。例えば、「上皮内がん(がんの0期に相当し、転移リスクが低い早期の状態)」は保障対象外となるケースがあります。また、団信は生命保険料控除の対象にならず、保障は住宅ローン完済期間までに限られます。特約は原則として契約時にしか付加できないので、加入時にじっくり検討することが大切です。

一方、民間のがん保険の役割は「治療費や生活費の補填」です。診断一時金や入院・通院の給付金を現金で受け取れるので、治療に伴う支出や収入減少に備えられます。住宅ローン完済後も保障が続く点は、団信にはない強みです。

4.「働けなくなったとき」のリスク対策

住宅ローン返済中に病気やケガで長期間働けなくなった場合、がんなど三大疾病特約付きなどの団信を除き、一般的な団信では対応できません。団信が保障するのは基本的に「死亡・高度障害」のみであり、病気やケガによる就業不能状態は対象外だからです。

収入が途絶えても、住宅ローンの返済は続きます。さらに、医療費や生活費も発生するので、家計へのダメージは大きくなりがちです。

会社員や公務員であれば、健康保険から「傷病手当金」を受け取れます。これは、病気やケガで働けない間、給与の約3分の2が支給される制度で、最長1年6ヵ月利用可能です。ただし、給与の全額が保障されるわけではなく、さらに受給日数が通算して1年6ヵ月を超えると支給は終了します。

一方、自営業者やフリーランスが加入する国民健康保険には、原則として傷病手当金がありません。公的なセーフネットが薄く、リスクはより大きくなります。

このような不足を補う手段として有効なのが「就業不能保険」です。所定の就業不能状態が続いた際に、毎月給付金を受け取れる仕組みです。給付額を住宅ローンの返済額に合わせて設定すれば、収入が途絶えても返済を続けられます。

ただし、就業不能保険には「免責期間(就業不能状態になってから給付が始まるまでの待機期間)」があり、一般的に60〜180日程度です。この間は傷病手当金や貯蓄で対応し、その後の長期リスクを就業不能保険でカバーするという組み合わせが、現実的な対策といえるでしょう。

5.住宅購入後の隠れた維持費

「住宅ローンを完済すれば、住まいにかかる支出はなくなる」と考える方もいますが、実際には住宅を取得するとローン終了後も継続して発生する費用があります。これらを把握せずに資金計画を立てると、将来の家計、特に老後の家計を圧迫しかねません。

固定資産税

まず、住宅を所有している限り、毎年発生するのが「固定資産税」です。毎年1月1日時点の所有者に課税されます。税額は原則として固定資産税評価額の1.4%が目安となります。

なお、2026年3月31日までに新たに建築された住宅には3年間半額になる軽減措置がありますが、期間終了後に税額が増えるため注意が必要です(マンションなどは5年間)。また、固定資産税評価額は3年ごとに見直されます。土地の評価額が上がれば、税額も増える可能性があります。

火災保険料

「火災保険料」も継続的な支出の一つです。住宅ローン返済中は加入が条件となるケースが一般的ですが、完済後も住まいを守るためには継続が望まれます。保険料は建物の構造や所在地、補償内容によって異なります。近年は自然災害の増加を背景に保険料の改定も続いており、更新時に負担が増えるケースもあります。

修繕費・維持費

マンションに住んでいる方には、さらに「修繕積立金」(建物の大規模修繕に備えて毎月積み立てる費用)が加わる点に注意しましょう。国土交通省の「令和5年度マンション総合調査」によると、修繕積立金の全国平均は月額約1万3,000円です。築年数が経つほど積立金が増額されることも多く、場合によっては一時金を求められることもあります。

戸建ての場合も維持費は発生します。外壁や屋根の補修、設備交換などの修繕費が30年間で400万〜800万円かかると言われており、年間換算で約15万〜25万円の備えが必要です。

6.まとめ

住宅は人生で一番高い買い物と言われており、家計の見直しをすべきタイミングです。

住宅を購入したことで、月々の保険料が負担になってしまうことも考えられますので、必要保障額を考慮しつつ、無駄をなくすようにしましょう。

この記事の監修者

石井 伸彦
石井 伸彦

大学卒業後、大手生命保険会社に入社。保険金部保険金課に所属し、保険金等の支払査定を担当。その後、営業、総務・業務事務・コンプライアンスなど幅広い業務に携わる。在籍中にファイナンシャル・プランナニング技能士、第一種証券外務員、コンプライアンス・オフィサー(金融検定協会)など、様々な資格を取得。業界歴30年以上。
現在は株式会社ETERNALリスク・コンプライアンス部にてコンプライアンス業務全般を取りまとめ、保険コラムの監修なども行っている。

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