2019.12.06 更新
*この記事のポイント*
●女性特有の病気は「乳がん」や「子宮がん」だけではありません。
●病気の種類によっては、若い年代でも女性特有の病気にかかる可能性があります。
●女性特有の病気は、早期に発見すれば治る確率が高まります。
テレビやニュースでよく聞く「乳がん」や「子宮がん」などの女性特有の病気。女性特有の病気は、20代や30代の若い世代でもかかりやすいのが特徴です。
今回は女性特有の病気についてご紹介します。「まだ若いから」と安心してはいけません。
自分の身体を守るために、どのような病気があるのかを知っておきましょう。
1.女性特有の病気とは?
女性特有の病気といえば、「乳がん」や「子宮がん」のイメージがありますが、実は「乳がん」や「子宮がん」以外にも女性がかかりやすい、気を付けておきたい病気があります。
まずは、代表的な女性特有の病気の患者数を見てみましょう。
■ 主な女性特有の病気の患者数
出典:厚生労働省「平成26年 患者調査」
女性特有の病気にかかっている方は全国で約129.6万人※もいます。その中でも乳がんの患者数は約20.6万人と最も多いことがわかります。
卵巣のう腫や子宮筋腫は、良性の腫瘍であることがほとんどですが、将来妊娠や出産に大きな影響を与える可能性があります。何か違和感を覚えたら、軽い病気だと油断せず、しっかりと診察を受けましょう。
※出典:厚生労働省「平成26年 患者調査」
2.何歳になると女性特有の病気にかかりやすい?
冒頭でも説明した通り、女性特有の病気は若い世代でもかかりやすいのが特徴です。
では実際、何歳になると、どの病気にかかりやすくなってくるのでしょうか。年代別でかかりやすい病気をまとめました。
■ 年代別の女性特有の病気の患者数
出典:厚生労働省「平成26年 患者調査」
≪乳がん≫
30代から増加をはじめ、50代から60代で急激に患者数が増加します。
≪子宮がん≫
30代から患者数が増え、50代から60代の閉経前後が最も多くなります。卵巣のう腫は20代にかかる方が最も多く、子宮筋腫は20代から40代にかけて患者数が急激に増加しています。
3.女性特有のがんの治療法は?
乳がんや子宮がん、卵巣がんの治療法は、基本的に外科手術によってがんを取り除いた後、放射線治療や薬物治療(抗がん剤治療)を併用することがほとんどです。
■ 女性特有のがんの主な手術の種類
① 乳がん
≪乳房部分切除術(乳房温存)≫
しこりを含めた乳房の一部を切除する手術です。
がんの進行度によって、乳頭を中心にした扇形に切除する場合や、がんから2cmほど大きな範囲で切除する場合があります。
≪胸筋温存乳房切除術≫
大胸筋は切除せず、乳房とわきの下のリンパ節を切除する手術です。胸の筋肉の一部を切除することもあります。
≪センチネルリンパ節生検≫
がんが転移するときに最初に流れ着くリンパ節に転移がないか、乳がんの切除術の術中に調べる検査方法です。転移がなければ、リンパ節以上を切除せず、温存します。
② 子宮がん
≪円錐切除術≫
がんのある子宮頸部の組織を円錐状に切除する手術です。
≪単純子宮全摘出術≫
子宮を全て切除する手術です。
≪広汎子宮摘出術≫
子宮と膣の一部、卵巣・卵管を含めて、骨盤壁近くからリンパ節も含む広い範囲で切除する手術です。
4.まとめ
今回の記事でご紹介した手術のほかに、乳がんを切除したために失われた乳房を、自分の筋肉や人工物(シリコン)を使用して再建する乳房再建手術を行うこともできます。
乳房再建手術には、からだの組織を使う方法と、シリコン製の人口乳房(インプラント)を入れる方法があり、からだの組織を使う場合は、背中やお腹の筋肉などを移植し、人口乳房を入れる場合は、胸の皮膚と筋肉を拡張する「ティッシュ・エキスパンダー」を併用するのが一般的です。
なお、これまで人口乳房を入れる方法での乳房再建手術は、保険適用外とされていましたが、2013年に厚生労働省が「乳房再建手術」での使用を条件に、一部のティッシュ・エキスパンダーとシリコンインプラントの保険適用を認可したため、高額療養費制度などを利用して手術を受けることができるようになりました。
病気に限らず、女性は妊娠や出産に伴い入院することが多いため、男性よりも入院患者数が多くなっています。
もしも、乳がんや子宮がんなどの病気にかかり、手術が必要になった場合、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかります。
女性特有の病気も、早期に発見することができれば治る確率が高まります。日々のセルフチェックや定期的な婦人科検診で、早期発見に努めましょう。
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