2020.05.21 更新
もし病気で長期間働けなくなった時のことを考えると、家族もいるので収入がなくなってしまうのがとても不安です。
そうですよね。病気の治療期間だけでなく、病気によって障害が残ってしまう場合もあります。
障害が残ってしまうと生活費に加えて、さまざまなお金がかかってきそうですね。
そうなんです。そのような病気や怪我によって障害が生じた時に、国から障害年金という給付金が支払われるのをご存知ですか?
そうなんですね!障害年金について詳しく知っておきたいです!
*この記事のポイント*
●病気やケガなどによって障害が生じてしまった場合は、障害年金を受け取ることができます。
●受け取れる障害年金の種類は、加入している年金制度によって決まります。
●「障害の程度」によって決まる障害等級で、受け取れる金額が変わります。
予期せぬ事故や病気で障害が生じてしまったとき、いままで通りの生活を送るのが困難になるうえに、生活費に加え医療費もかかるため、経済的負担が大きくなってしまいます。
そのようなときに国から支給されるのが「障害年金」です。
障害年金は、これまでご紹介してきた遺族年金や老齢年金と同じく、公的年金制度にある保障機能の一つです。
障害が生じてしまったとき、障害年金としてどのような制度が備えられているのか、確認しておきましょう。
■ 目次
・1.「障害年金」とは?
・2.受け取れる障害年金の種類は?
・3.障害年金を受け取るためには?
・4.一定の障害の状態って?
・5.障害年金の計算方法は?
・6.障害年金の申請はどうすればいいの?
・7.まとめ
1.「障害年金」とは?
障害年金とは、公的年金制度にある保障機能の一つです。
病気や怪我によって働けなくなった人や、生活に制限が出ている人に支給される年金です。
公的年金制度に加入していて年金の納付状況をクリアしている人であれば、誰でも所定の障害状態になった際に障害年金を受け取ることができます。
2.受け取れる障害年金の種類は?
障害年金は障害基礎年金と障害厚生年金に分かれており、遺族年金や老齢年金と同様に加入している年金制度によって、受け取れる年金の種類が決まります。
自営業を営んでいる人やその家族が加入している「国民年金」であれば「障害基礎年金」が、サラリーマンやその家族が加入している「厚生年金」であれば障害基礎年金に加えて「障害厚生年金」が給付されます。
●障害基礎年金と障害厚生年金の違いは?
障害年金の給付金は、障害等級によって異なります。障害基礎年金は障害等級が1級か2級(※1級に近くなるほど重度の障害)に該当した場合に給付対象となりますが、障害厚生年金の場合はそれよりも軽い3級であっても給付の対象となります。
また、これらの等級に当てはまらず、障害年金を受給できる条件よりも軽い障害状態であった際には、一時金として「障害手当金」を受け取ることも可能です。
3.障害年金を受け取るためには?
障害年金を受け取るためには、それぞれ以下の要件を満たしている必要があります。
※初診日とは…障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師の診療を受けた日
■ 障害年金共通の要件
・ 一定の障害の状態にあること
・ 保険料納付要件※を満たしていること
※保険料納付要件とは
(1)初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間に、保険料が納付または免除されていること
(2)初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
※出典:日本年金機構
4.一定の障害の状態って?
障害年金では、障害の程度で障害等級が決められ、それによって障害年金を受給できるかどうかや、受給できる年金額が変わります。
≪障害等級ごとの受け取れる障害年金の種類≫
国民年金加入者は、障害等級の1~2級に該当すれば障害基礎年金が支給されます。
厚生年金加入者は、障害等級の1~2級であれば障害基礎年金に上乗せして障害厚生年金が支給されますが、3級であれば障害厚生年金のみの支給になります。
また、厚生年金加入者は、初診日から5年以内に病気やケガが治り、障害等級の1~3級よりも軽い障害が残ったときには障害手当金(一時金)が支給されます。
障害手当金を受給するためには、障害基礎年金の保険料納付要件を満たしていることが必要です
■ 障害等級とは?
障害年金では、国民年金法と厚生年金保険法で障害等級が定められています。
※身体障害者手帳の等級とは異なります。
※参考:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 平成28年6月1日改正」
5.障害年金の計算方法は?
障害等級が高いほど支給される年金額が多く、また配偶者や子どもの有無によっても支給される年金額が変わってきます。
■ 障害基礎年金[平成28年4月分から]
[1級] 780,100円 × 1.25 + 子の加算
[2級] 780,100円 + 子の加算
子の加算額
●第1子・第2子 各 224,500円
●第3子以降 各 74,800円
※子どもとは、18歳到達年度の末日まで(1、2級障害のある場合は20歳未満)にある子をいいます。
≪20歳以前の傷病による障害基礎年金≫
20歳になる前の傷病が原因で一定の障害の状態になった場合は、保険料納付要件を満たしていなくても、20歳になった時点で障害基礎年金の請求をすることができます。
ただし、国民年金保険料を負担していないことから、所得制限等の支給停止要件が設けられています。
■ 障害厚生年金[平成28年4月分から]
[1級] (報酬比例の年金額)× 1.25 + 配偶者の加給年金額
[2級] (報酬比例の年金額)+ 配偶者の加給年金額
[3級] (報酬比例の年金額) ※最低保証額 585,100円
≪配偶者の加算額≫
●224,500円
※配偶者が65歳未満の場合のみ対象となります。
上記の通り、障害厚生年金の年金額は報酬比例の年金額によって大きく変わります。
≪報酬比例の年金額の計算方法≫
6.障害年金の申請はどのようにすればいいの?
障害年金の申請は、「障害基礎年金」の場合は市町村役場や年金事務所の窓口で、「障害厚生年金」の場合は年金事務所で手続きをすることができます。
原則、障害年金の申請は受給者本人が窓口で行うことになっていますが、窓口に行くことが難しい場合は代理人が手続きをすることも可能です。
●障害年金の申請に必要なものは?
・年金手帳
・医師が書いた診断書
・戸籍謄本、戸籍抄本、戸籍の記載事項証明、住民票、住民票の記載事項証明書のいずれか
・病歴・就労状況申立書
・受取先金融機関の通帳等
・印鑑
7.まとめ
障害年金は、働きながらでも受給できる年金です。
受給できないと思っていても、実は受給要件を満たしているケースもあります。
障害年金を受給できるかどうかや、申請方法についてはお近くの年金事務所、または街角の年金相談センターへお問い合わせください。
※このコラムは2017年2月現在のデータに基づいて作成されています。
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