2019.12.12 更新
*この記事のポイント*
●がんは2人に1人がかかるといわれているほど身近な病気になっています。
●公的制度を活用することで、治療費の自己負担額を抑えることができます。
●公的制度でまかなえない部分はがん保険や医療保険で備えましょう。
近年医療技術の進歩により、がんは治る病気になってきました。しかし、そこで心配になってくるのはがん治療にかかるお金について。
そんなときに役に立つのが、がんになったときの経済的な負担をカバーしてくれる「がん保険」です。
ここではがん保険に加入する前に知っておきたいポイントをまとめました。
1.がんになる確率は?
日本人が生涯でがんになる確率は、男性が63%、女性が47%と、2人に1人がかかるといわれています。
■ 部位別のがんにかかる確率
※出典:がん情報サービス「がんに罹患する確率~累積罹患リスク(2012年データに基づく)
『がん情報サービス「喫煙とがん」』によると、がんにかかる確率が男性のほうが高いのは、タバコの喫煙率が高いからだといわれています。喫煙は肺がんのみならず、胃がんの確率も高めてしまいます。
■ 乳がん・子宮頸がんにかかる確率(年齢別)
※出典:がん情報サービス「部位別 年齢階級別罹患率(乳房・子宮頸部(2012年データに基づく))
一方で女性の場合、男性と比べて罹患率は低いものの、女性特有のがんには注意が必要です。乳がんは30代後半から、子宮頸がんについては20代頃からと若い年代から罹患率が高くなっています。
2.がんの治療っていくらかかるの?
がんの治療費は高いというイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
しかし、実際は健康保険の適用で自己負担は3割に抑えることができます。さらに高額療養費制度を使用することで、1ヶ月にかかる医療費は一定額以上かかることはありません。
年収約370万円~770万円の場合、1ヶ月の自己負担額は約8万円。さらに直近1年間で3回以上高額療養費の支給を受けた場合、4回目からは4万4,000円になります。
■ がんのステージごとの治療費の自己負担額
※出典:がんの医療経済的な解析を踏まえた患者負担の在り方に関する研究(濃沼信夫)
3.公的医療制度ではまかなえない費用とは?
先ほどご紹介したように、公的医療制度である程度治療費を抑えることはできますが、公的医療制度ではまかなえない費用が発生する場合があります。
その費用とは、先進医療の技術料や、入院中の食事代や差額ベッド代などです。
先進医療とは、厚生労働大臣が承認した先進性の高い医療技術のことで、先進医療での治療を受ける場合、診察料や検査料、入院料といった一般の診療と共通する部分については健康保険などが適用されますが、先進医療にかかる費用は全額自己負担になります。
がんの先進医療で代表的なものに、「重粒子線・陽子線治療」があります。これらの先進医療での治療を受ける場合の治療費は、重粒子線治療は平均約308万円、陽子線治療は約268万円となっています。
(出典:厚生労働省 第38回先進医療会議資料 平成27年度実績報告書より試算)
治療装置のコストが高い分、かかる費用が高額になっていますが、がん細胞を集中的に破壊することができ、体への負担や副作用を減らすことができます。
4.闘病中、収入が減ってしまうことに備えよう
『がんの医療経済的な解析を踏まえた患者負担の在り方に関する研究』によれば、がんになって経済的負担があると感じている割合は、ステージⅠの場合は48%、ステージⅣになると78%という結果が出ています。がんになり仕事を辞めることになってしまうという場合もあります。
公的制度には、働けなくなってしまったときに保障してくれるものがありますので、もしものときのために頭に入れておくと良いでしょう。
5.まとめ
がんの治療費は、公的制度によってある程度まで抑えることができますが、先進医療を使用した治療などの健康保険適用外の費用や、入院や通院に伴うさまざまな出費などについて全てまかなうことはできません。
万が一がんになってしまったら、ご自身やご家族の負担は大変なものです。いざというときに落ち着いてがんの治療に臨むためにも、がん保険や医療保険などの経済的な備えについて一度考えてみてはいかがでしょうか。
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