保険コラム

老化だけが原因ではない!?認知症について

医療
2017年 11月27日

医療
2017年 11月27日
老化だけが原因ではない!?認知症について

老化だけが原因ではない!?認知症について
ポイント
  • 45歳頃を境に認知症の発症率が高まります。
  • 介護費や医療費以外にも、家族の生活費についても考えておく必要があります。
  • 認知症などが原因で、介護が必要となったときに利用できる保障を知っておきましょう。
2025年には、約5人に1人が罹患するといわれているほど、認知症は身近な病気となっており、近年では、比較的若い年齢の方でも認知症を発症するケースも増えてきています。
今回のコラムでは、認知症とはどのような病気なのか、認知症患者やその家族を支える社会保障制度などをご紹介します。

認知症とは

認知症とは、なんらかの病気の影響で脳の細胞が死んでしまったり、動きが悪くなることでさまざまな障害が起こり、日常生活に支障が出ている状態のことをいい、理解・判断力の低下や記憶障害などの影響により、今までできていたこと(家事や買い物など)ができなくなったり、大切なものをとられたなどの被害妄想や、徘徊などが症状としてあらわれます。
厚生労働省の「認知症有病率等調査について 平成22年」によると、認知症罹患者は350万人~497万人といわれています。
また、近年では若い年齢でも発症する可能性が高くなってきており、18歳から64歳の間にかかる認知症のことを、若年性認知症といいます。
下図を見てみると、45歳を境に、認知症を発症する確率が高まっていることが分かります。

<年齢別にみる若年性認知症の患者数>

年齢 人口10万人あたりの
認知症患者総数
(人)
推定患者数
(万人)
30歳

34歳
5.9 0.055
35歳

39歳
8.9 0.084
40歳

44歳
14.8 0.122
45歳

49歳
27.1 0.209
50歳

54歳
51.7 0.416
55歳

59歳
115.1 1.201
60歳

64歳
189.3 1.604
出典:厚生労働省「若年性認知症の実態等に関する調査結果の概要及び厚生労働省の若年性認知症対策について 平成22年度」
「認知症は高齢者がなる」といった印象から、本人や周囲の人も気づかないことが多くあり、認知機能の低下によって起こる物忘れや失敗などをネガティブに捉えてしまうと、うつ病などの精神疾患を招く可能性もあります。

認知症を発症する原因

認知症には、原因によりさまざまな種類があります。
認知症を発症する原因認知症を発症する原因
出典:厚生労働省「認知症の基礎~正しい理解のために~」
アルツハイマー型の認知症は、認知症の中でも最も多い病気で、特殊なたんぱく質により、脳細胞が破壊されることが原因で起こります。一部のアルツハイマー型認知症は遺伝するといわれています。
脳血管性認知症は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病が主な原因とされており、脳梗塞や脳出血によって脳細胞に十分な血液が送られずに、脳細胞が死んでしまうことが原因で起こります。

認知症になってしまったら

認知症患者の日常生活の自立度は、「Ⅰ・Ⅱa・Ⅱb・Ⅲa・Ⅲb・Ⅳ・M」の7段階に分かれており、Ⅲ以上になると、介護が必要となります。
また、アルツハイマー型認知症の治療で処方される薬代、脳血管性の認知症の場合は、脳血管障害の治療も同時に進めることがあるため、介護費用に加え、脳血管障害の治療費などが必要となります。
また、一家の大黒柱が若年性の認知症になってしまった場合、働けなくなり収入が減少してしまうことで、お子さまやご家族の将来設計に大きな影響を与えてしまうこともあります。

<日常生活自立度>

ランク 判定基準 見られる症状・行動の例
何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している。

Ⅱa
Ⅱb
日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。 ・たびたび道に迷う、買い物や事務、金銭管理などそれまでできたことにミスが目立つ
・服薬管理ができない、電話の対応や訪問者との対応などひとりで留守番ができない

Ⅲa
Ⅲb
日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さがときどき見られ、介護を必要とする。 ・着替え、食事、排便・排尿が上手にできない・時間がかかる、やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声を上げる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為など
日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする。
著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。 ・せん妄、妄想、興奮、自傷・他害等の精神症状や精神症状に起因する問題行動が継続する状態など
ランク
判断基準 何らかの認知症を有するが、日常生活は家庭内及び社会的にほぼ自立している。
ランク Ⅱ Ⅱa Ⅱb
判断基準 日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが多少見られても、誰かが注意していれば自立できる。
見られる症状・行動の例 ・たびたび道に迷う、買い物や事務、金銭管理などそれまでできたことにミスが目立つ
・服薬管理ができない、電話の対応や訪問者との対応などひとりで留守番ができない
ランク Ⅲ Ⅲa Ⅲb
判断基準 日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さがときどき見られ、介護を必要とする。
見られる症状・行動の例 ・着替え、食事、排便・排尿が上手にできない・時間がかかる、やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声を上げる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為など
ランク
判断基準 日常生活に支障を来すような症状・行動や意志疎通の困難さが頻繁に見られ、常に介護を必要とする。
見られる症状・行動の例 ・着替え、食事、排便・排尿が上手にできない・時間がかかる、やたらに物を口に入れる、物を拾い集める、徘徊、失禁、大声・奇声を上げる、火の不始末、不潔行為、性的異常行為など
ランク M
判断基準 著しい精神症状や問題行動あるいは重篤な身体疾患が見られ、専門医療を必要とする。
見られる症状・行動の例 ・せん妄、妄想、興奮、自傷・他害等の精神症状や精神症状に起因する問題行動が継続する状態など
出典:厚生労働省

介護や治療を受けることになったときに利用できる社会保障

≪介護保険負担限度額認定証≫

介護保険施設に入居する、またはショートステイを利用する場合、居住費や食費については自己負担が原則ですが、それらの自己負担の上限を決めて、負担する金額を抑えるできる認定証があります。
自己負担の上限額は4段階に分かれており、具体的な負担額については施設の基準によって変わります。

≪高額介護サービス費≫

公的介護保険のサービスを受ける際は、かかった費用の1割または2割を自己負担することになります。
高額介護サービス費は、1ヶ月の自己負担額の合計が上限額を超えた場合、申請を行うことで超過分の払い戻しを受けることができる制度です。
※詳しくは「介護費用を軽減する仕組み~高額介護サービス費用とは~」をご覧ください。

<高額介護合算療養費の上限額 70歳未満の方 ※平成27年8月診療分以降>

所得区分 年間基準額
① 標準報酬月額83万円以上の方
 (報酬月額81万円以上の方)
212万円
② 標準報酬月額53万~79万円の方
 (月額51万5千円以上~81万円未満の方)
141万円
③ 標準報酬月額28万~50万円の方
 (報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方)
67万円
④ 標準報酬月額26万円以下の方
 (報酬月額27万円未満の方)
34万円
⑤ 低所得者
 (被保険者が市区町村民税の非課税者等)
60万円
所得区分
① 標準報酬月額83万円以上の方
 (報酬月額81万円以上の方)
年間基準額
212万円
所得区分
② 標準報酬月額53万~79万円の方
 (月額51万5千円以上~81万円未満の方)
年間基準額
141万円
所得区分
③ 標準報酬月額28万~50万円の方
 (報酬月額27万円以上~51万5千円未満の方)
年間基準額
67万円
所得区分
④ 標準報酬月額26万円以下の方
 (報酬月額27万円未満の方)
年間基準額
34万円
所得区分
⑤ 低所得者
 (被保険者が市区町村民税の非課税者等)
年間基準額
60万円

<高額介護合算療養費の上限額 70歳から74歳までの方>

所得区分 年間基準額
① 現役並み所得者
 (標準報酬月額28万円以上で高齢受給者証の負担割合が3割の方)
67万円
② 一般所得者
 (①および③以外の方)
56万円
③ 低所得者 Ⅱ 31万円
  低所得者 Ⅰ 19万円
所得区分
① 現役並み所得者(標準報酬月額28万円以上で高齢受給者証の負担割合が3割の方)
年間基準額
67万円
所得区分
② 一般所得者(①および③以外の方)
年間基準額
56万円
所得区分
③ 低所得者 Ⅱ
年間基準額
31万円
所得区分
低所得者 Ⅰ
年間基準額
19万円
出典:全国健康保険協会
その他にも、高額療養費制度や傷病手当金などを利用して、負担額を軽減できることもあります。

認知症の予防法はあるの?

厚生労働省の「認知症予防・支援マニュアル(平成21年度)」によると、園芸や将棋といった趣味で出来るようなものから、ウォーキングや水泳などの運動や、認知機能の向上を目的とした計算ドリルやゲームなどが効果的であるといわれています。
万が一、自身や自身の両親が認知症になってしまったら、治療費の不安だけではなく、今後の生活費などについても考えなければなりません。社会保障制度はもちろん、介護が必要になったときや、働けなくなったときに備えられる民間の保険もありますので、一度考えてみてはいかがでしょうか。

 

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