保険コラム

地震が起こった時のお金のリスクに備える~もしものときの地震保険~

基礎
2017年 07月10日

基礎
2017年 07月10日
地震が起こった時のお金のリスクに備える~もしものときの地震保険~

地震が起こった時のお金のリスクに備える~もしものときの地震保険~
ポイント
  • 東日本大震災で被災した多くの方が、生活再建に950万円以上の費用をかけています。
  • 被災者生活再建支援制度で支給される支援金は最大で300万円です。
  • 火災保険だけでは、地震による火災損害は補償されません。
東日本大震災や熊本震災を機に、地震による損害に備える地震保険への注目が高まっています。自然災害を防ぐことはできませんが、もしものときのために事前に備えておくことはできるはずです。
地震保険に加入していると、損害の全てを補うことはできませんが、経済的負担を軽減することができます。
今回は、地震に遭ったときのリスクと地震保険についてご紹介します。

生活再建にかかる費用はいくら?

もしも地震が起こり、住宅が被害を受けた場合、修理や建て替えなどの生活再建に多額の費用がかかります。
内閣府が東日本大震災で被災された方を対象に行ったアンケートの結果から、生活再建にどれほどの費用がかかるのかを見てみましょう。

≪東日本大震災の生活再建にかかった費用≫

東日本大震災の生活再建にかかった費用

■住宅再建費用

東日本大震災の生活再建にかかった費用

■生活必要費用

東日本大震災の生活再建にかかった費用
出典:内閣府「平成24年度 被災者生活再建支援法関連調査報告書」
住宅再建費用は、900万円以上と回答した方が最も多く、生活必要費用は50万円以上と回答した方が最も多いです。
これによると、多くの被災者が元の生活を取り戻すために、950万円以上の費用をかけていることがわかります。

被災者のための公的支援制度

国は被災者の為に様々な公的支援制度を設けています。
そのなかでも、最も有名な制度が「被災者生活再建支援制度」です。住宅が全壊するなどの、大きな被害を受けた世帯に最高で300万円の支援金が支給される制度です。
もちろん、誰でも受け取れるわけではなく、定められた条件に該当した世帯に支給されます。
<被災者生活再建支援制度の支給条件>
①住宅が「全壊」した世帯
②住宅が半壊、又は住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯
③災害による危険な状態が継続し、住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯
④住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ住居することが困難な世帯(大規模半壊世帯)
住宅が「全壊」した世帯
住宅が半壊、又は住宅の敷地に被害が生じ、その住宅をやむを得ず解体した世帯
災害による危険な状態が継続し、住宅に居住不能な状態が長期間継続している世帯
住宅が半壊し、大規模な補修を行わなければ住居することが困難な世帯(大規模半壊世帯)
出典:内閣府「被災者生活再建支援制度の概要」平成29年7月現在
なお、支援金の支給額は、住宅の被害程度に応じて支給する「基礎支援金」と住宅の再建方法に応じて支給する「加算支援金」の合計額となります。
<基礎支援金>
住宅の被害程度 支給額
全壊(支給条件の①) 100万円
解体(支給条件の②) 100万円
長期避難(支給条件の③) 100万円
大規模半壊(支給条件の④) 50万円
出典:内閣府「被災者生活再建支援制度の概要」平成29年7月現在
<加算支援金>
住宅の再建方法 支給額
建設・購入 200万円
補修 100万円
賃借(公営住宅以外) 50万円
出典:内閣府「被災者生活再建支援制度の概要」平成29年7月現在
被災後の生活再建に950万円以上の費用がかかっているのに対し、被災者生活再建支援制度で支給される支援金は最大300万円なので、650万円以上が不足することになります。
このように発生してしまう経済的負担を、少しでも軽減するための方法の1つが地震保険です。

地震保険とは?

地震保険とは、地震や噴火、またはこれらによる津波によって発生した、火災や損壊、埋没や流出による住居用の建物と家財の損害を補償する保険です。
マイホームの方や賃貸の方の多くは火災保険に加入しているでしょう。しかし火災保険だけでは、地震による火災損害は補償されませんので注意が必要です。
また、地震保険は火災保険とセットで加入する必要があり、地震保険のみ単体で加入することはできません。

地震保険の保険料は一律

地震保険の保険料や補償内容は、政府が制度に関与して一定の成約を設けているため、どの保険会社から加入しても同じです。保険料は建物の構造と建物の所在地によって算出され、保険期間は短期(1年)と長期(2年~5年)に分かれています。

どのくらいの人が加入しているの?

今や多くの人に知られている地震保険ですが、実際加入している人はどれほどいるのでしょうか。
地震保険の付帯率と世帯加入率を見てみましょう。
<地震保険の付帯率と世帯加入率の推移>
地震保険の付帯率と世帯加入率の推移地震保険の付帯率と世帯加入率の推移
※各種共済は含みません
出典:損害保険料率算出機構「平成27年度 地震保険都道府県別付帯率・世帯加入率の推移」
データを見ると2010年から2011年にかけて、地震保険の付帯率が大幅に増加しており、東日本大震災が起こって以来、地震保険を重要視されている方が増えていることがわかります。
しかし、2015年時点で地震保険の付帯率は6割と、4割の方が火災保険に地震保険を付帯していないのが現状です。

どうなったら保険金を受け取れるの?

地震保険は、損害の認定基準が4つに区分されており、その損害の程度によって、受け取れる保険金額が決まります。
また、地震保険の保険金額は、加入している火災保険の保険金額の最大50%までしか支払われず、建物の損害については5,000万円、家財の損害については1,000万円の上限が設けられています。
<受け取れる保険金額>
損害の
程度
受け取れる保険金額
全損 地震保険の保険金額の100%
大半損 地震保険の保険金額の60%
小半損 地震保険の保険金額の30%
一部損 地震保険の保険金額の5%
出典:財務省「地震保険制度の概要」平成29年7月現在
「全損・大半損・小半損・一部損」のどれに該当するかは、建物の場合、主要構造部(土台・柱・壁・屋根等)の損害額や焼失、流出した床面積などによって、家財の場合は、家財の時価の何%が損害を受けたかなどによって決まります。
また、下記の項目は、地震保険の対象外となります。
・故意もしくは重大な過失または法令違反による損害
・地震の発生日から10日以上経過後に生じた損害
・戦争、内戦などによる損害
・地震等の際の紛失・盗難の場合
故意もしくは重大な過失または法令違反による損害
地震の発生日から10日以上経過後に生じた損害
戦争、内戦などによる損害
地震等の際の紛失・盗難の場合
出典:財務省「地震保険制度の概要」平成29年7月現在
上記以外にも、1個の価格が30万円を超える有価証券、通貨、貴金属、宝石、美術工芸品などの損害や、自動車の損害等も補償の対象外となります。
損害の認定基準が4つに区分されたのは平成29年1月1日からで、平成28年12月31日以前に地震保険に加入されていた方は、損害の認定基準が異なります。
平成28年12月31日以前の損害の認定基準については、ご契約されている各損害保険会社にお問い合わせください。
地震保険の保険金額は、最大でも火災保険の保険金額の半分なので、建物を元通りにすることはできませんが、生活再建をする際の経済的負担を軽減できます。
いつ発生するか分からず、一瞬にして日常が奪われてしまうかもしれない地震。
もしものときのために、備えができているか、日頃から確認しておきましょう。

 

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