アメリカン・エキスプレス・カード(以下アメックスグリーン)は、一般カードでありながら他社のゴールドカード並みのスペックを持つ人気のクレジットカードです。
空港ラウンジサービスや手荷物宅配無料サービスなど、豪華なトラベル特典が付帯しています。
ステータスの高さからも手に入れたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
本記事では、アメックスグリーンのメリット・デメリットについてまとめました。
特典の使いこなし方やアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードとの違いも解説しているので参考にしてください。
※本記事の価格は全て税込みです。
静岡県出身。小売業やメーカー営業を経験後にライターへ転身。 FP資格を活かして執筆業務を行う。得意分野は「株式投資」「保険」「クレジットカード」「カードローン」など。
アメックスグリーンのメリット
アメリカン・エキスプレス・カード | ||
---|---|---|
ポイント | 還元率 | 0.3~1.0% |
名称 | メンバーシップ・リワード | |
1ポイントの価値 | 0.3円 | |
交換可能マイル | ANAマイル、JALマイル、スカイマイル | |
年会費 | 初年度 | 13,200円 |
2年目以降 | ||
家族カード | 6,600円 | |
旅行保険 | 海外 | 最高5,000万円(利用付帯) |
国内 | ||
ETCカード | 発行手数料 | 935円 |
年会費 | 無料 | |
電子マネー | QUICPay+ | |
国際ブランド | アメリカン・エキスプレス | |
発行会社 | アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド | |
発行期間 | 最短3営業日 |
アメックスグリーンは、アメックスのスタンダードカードです。
券面のデザインから「アメックスグリーン」と呼ばれています。
空港ラウンジサービスや海外旅行傷害保険など、旅行時に役立つトラベル特典が充実しています。
アメックスのなかでは比較的申し込みやすいため、アメックスを初めて持つ方にもおすすめです。
- 一般カードながら高いステータス性を誇る
- ゴールドカードに匹敵するトラベル特典
- 最高5,000万円の海外・国内旅行保険
一般カードながら高いステータス
アメックスは世界的に知名度が高く、一般カードながらステータスカードとして知られています。
ゴールドやプラチナはともかく、一般カードで「ステータスカード」と呼ばれるカードはほとんどありません。
経済的に余裕がある方が持つカードとして広く知られているため、保有しているだけで信用力をアピールできます。
1850年からの長い歴史がある、他社のゴールドカード並みの年会費がかかる、年会費に見合うサービスがあるなどの理由もクレジットカードの価値を高めています。
ゴールドカードに匹敵するトラベル特典
アメックスグリーンに付帯する豪華なトラベル特典のなかから、特筆すべき3つの特典をピックアップして紹介します。
- 同伴者1名まで空港ラウンジサービスが無料
- プライオリティ・パスに無料で登録できる
- 往復無料の手荷物宅配無料サービス
同伴者1名まで空港ラウンジサービスが無料
アメックスグリーン会員は国内主要空港とハワイのダニエル・K・イノウエ国際空港など、国内外29ヶ所の空港ラウンジを無料で利用できます。
空港ラウンジサービスはゴールドカード以上に付帯していることが多いのですが、アメックスなら一般カードのアメックスグリーンにも付帯しています。
他社ゴールドカードの多くはカード会員本人のみ無料なので、この点は大きなメリットでしょう。
プライオリティ・パスに無料で登録できる
アメックスグリーン会員は、「プライオリティ・パス・メンバーシップ」の「スタンダード会員」の特典を利用できます。
プライオリティ・パスとは世界1,200ヶ所以上の空港ラウンジが利用できるサービスです。
スタンダード会員は、空港ラウンジを同伴者1名含めて1回32米ドル(約3,520円)で利用できます。
往復無料の手荷物宅配サービス
海外旅行の際に、カード会員1人につきスーツケース1個を無料で配送してくれます。しかもアメックスなら往復無料です。
他社ゴールドカードでは片道のみ無料になるケースも多く、出発・帰国時いずれも無料で送ってくれるのは大きな助けになるでしょう。
以下の空港が対象です。
- 成田国際空港
- 中部国際空港
- 関西国際空港
- 羽田空港(第3ターミナル)
最高5,000万円の海外・国内旅行保険
アメックスグリーンには、一般カードながら最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険が付帯しています。
保険の種類 | 内容 | 補償額 | 家族特約補償額 |
---|---|---|---|
海外旅行保険 | 傷害死亡・後遺障害 | 最高5,000万円 | 最高1,000万円 |
傷害・疾病治療 | 最高100万円 | - | |
賠償責任 | 最高3,000万円 | - | |
携行品損害 | 最高30万円 | - | |
救援者費用 | 最高200万円 | - | |
国内旅行保険 | 傷害死亡・後遺障害 | 最高5,000万円 | 最高1,000万円 |
傷害・疾病治療費用や携行品損害は海外旅行保険補償のなかでも利用頻度が高いため、付帯しているのは大きな安心でしょう。
ただし、傷害・疾病治療費用補償が最高100万円である点には少し不安が残ります。
カード会員・家族カード会員だけでなくカード会員の家族も補償が受けられます。
アメックスグリーンのデメリット
アメックスグリーンのデメリットについても確認しておきましょう。
- 一般カードにしては年会費が高額
- 還元率を上げるのにコストがかかる
一般カードにしては年会費が高額
アメックスグリーンは、一般カードとしては13,200円と高額な年会費がかかります。
その分他社ゴールドカードに匹敵するサービスが付帯していますが、特典を利用しない方は年会費を取り返せない可能性があります。
還元率を上げるのにコストがかかる
アメックスグリーンの還元率は、他社ポイントやカード料金に充当する場合0.3%と低めです。
ANAマイルに移行する場合の還元率は0.5%ですが、ANAマイルに移行するためには別途5,500円の年会費を払って「メンバーシップ・リワード・ANAコース」に登録する必要があります。
マイル還元率1%を実現するために追加で必要なコストは以下の通りです。
項目 | 年会費 | 登録するメリット |
---|---|---|
メンバーシップ・リワード ANAコース | 5,500円 | ポイントをANAマイルに移行できる |
メンバーシップ・リワード・プラス | 3,300円 | 1,000ポイント=1,000マイルで移行できる (通常2,000ポイント→1,000マイル) |
つまり、1%還元でANAマイルに移行するためには年会費とは別に年間8,800円のコストがかかります。
年会費と合わせると22,000円です。
ANAマイルをたくさん貯めれば特典航空券を購入できるリターンがありますが、年間利用額が少ない方はこのコストを取り戻せない可能性もあります。
アメックスグリーンの特典を使いこなす生活
この章では、アメックスグリーンの特典の上手な使いこなし方を紹介します。
アメックスグリーンが、いかに年会費以上のベネフィットを感じられるカードであるかが分かるでしょう。
特典の使いこなし方にはさまざまな方法がありますが、ここでは以下の2つを紹介します。
- 1ポイント=1マイルのレートでANAマイルに移行
- 特典をフル活用して旅行を楽しむ
1ポイント=1マイルのレートでANAマイルに移行
1ポイント=1マイルのレートでANAマイルに移行すれば、年会費以上のベネフィットを得るのは難しくありません。
メンバーシップ・リワード・プラス(年会費3,300円)、メンバーシップ・リワード ANAコース(年会費5,500円)に登録すると、1,000ポイント=1,000マイルのレートで移行できます。
アメックスグリーンを毎月10万円利用したと仮定しましょう。
項目 | 獲得分 |
---|---|
月間獲得ポイント | 1,000ポイント |
年間獲得ポイント | 12,000ポイント |
年間獲得マイル | 12,000マイル |
1マイル=3円に換算した場合 | 36,000円 |
年間維持費22,000円(年会費13,200円+8,800円)を差し引いても、14,000円お得な計算です。
年間利用額が多いなら、ANAマイルへの移行がおすすめです。
特典をフル活用して旅行を楽しむ
旅行はアメックスグリーンの真価が発揮できる絶好のチャンスです。
例えば、以下のような活用方法があります。
- アメリカン・エキスプレス・トラベル オンラインで旅行予約
- 空港までの往復は手荷物宅配無料サービスを利用して手ぶら
- 空港ではラウンジサービスを利用しゆっくり過ごす
- 旅行先では「グローバル・ホットライン」を利用しレストラン予約
前述のメンバーシップ・リワード・プラス(年会費3,300円)に登録すれば、対象加盟店でさらにボーナスポイント2ポイントが加算されるボーナスプログラムが適用されます。
アメリカン・エキスプレス・トラベル オンラインも加盟店の1つであり、例えば10万円の国内航空券を年に2回購入した場合、以下のポイントが得られます。
項目 | 獲得ポイント |
---|---|
通常獲得ポイント | 2,000ポイント |
ボーナスポイント | 4,000ポイント |
合計 | 6,000ポイント |
メンバーシップ・リワード・プラスに年会費3,300円かかることを考慮してもお得になる計算です。
また、手荷物宅配サービスは通常数千円(サイズや距離に応じて変わる)、空港ラウンジは1回あたり1,000円程度の料金がかかるのが一般的です。
利用サービス | 通常料金 |
---|---|
手荷物宅配サービス (ヤマト運輸利用、東京都内~成田空港間往復100サイズ現金払い・メンバー割なしの場合) | 3,680 円 |
空港ラウンジ | 1,100円 |
合計 | 4,780円 |
アメックスグリーンを持てばこれらの料金が一切かからなくなり、1回あたりの旅行で4,780円得する上、快適な旅行が実現できます。
アメックスグリーンの審査
アメックスグリーンはステータスカードであることから、審査に不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
この章では、アメックスグリーンの審査について解説します。
審査基準は一切公表されていないため、明確に知ることはできないことを理解したうえで読み進めてくださいね。
アメックスグリーンの申込資格
アメックスグリーンに申し込みできるのは、満20歳以上で安定した継続収入のある方です。
収入のない専業主婦であっても、配偶者に安定継続収入があれば審査に通過する可能性があります。
誠に申し訳ありませんが、パートまたはアルバイトの方のお申し込みはお受けしておりません。
アメックスグリーンの審査難易度
アメックスグリーンは安定継続収入がなければ申し込めないため、簡単に発行できるとは言えません。
ただし、ステータスが高い割に審査難易度はそこまで高くないと推測できます。
- 一般カードである
- 独自の審査基準
アメックスと聞くと審査が厳しいイメージを持っている方が多いですが、外資系であるアメックスは独自の基準で審査を行っています。
もちろん、独自の基準が甘いわけでは決してありません。
ただし、延滞の期間が61日以上または3ヶ月以上になると事故情報が記録され、いわゆるブラックと呼ばれる状態になります。
この状態では、いかにアメックスが独自審査をしているとはいえ審査通過は難しいといえます。
また、ステータスカードではあるものの、アメックスのプロパーカードのなかでは最も年会費がリーズナブルな一般カードにあたります。
アメックスゴールドやアメックスプラチナと比べると、発行しやすいでしょう。
ステータスカードが欲しいけど審査が不安、初めてアメックスを持つという方におすすめです。
アメックスグリーンとアメックスゴールドの違い


アメックスグリーンとアメックスゴールドで迷っている方のために、2つのカードの違いをまとめました。
項目 | アメックスグリーン | アメックスゴールド |
---|---|---|
年会費 | 13,200円 | 31,900円 |
年会費(家族カード) | 6,600円 | 13,200円(1枚無料) |
メンバーシップ・リワード・プラス | 3,300円/年 | 3,300円/年 |
ポイント還元率 | 0.3%~ | 0.3%~ |
海外旅行保険 | 最高5,000万円 | 最高1億円 |
航空便遅延費用補償 | × | 〇 |
プロテクション | オンライン・リターン・ショッピング | オンライン・リターン・ショッピング・キャンセル・スマートフォン |
空港ラウンジサービス | 〇 | 〇 |
プライオリティ・パス | 32米ドル/回で利用可能 | 2回まで無料 3回目以降32米ドル/回 |
手荷物無料宅配サービス | スーツケース1個/回が無料 | スーツケース1個/回が無料 |
ゴールド・ダイニング | × | 〇 |
公式サイト | 詳細を見る | 詳細を見る |
大きな違いは以下の点です。
- 年会費が倍以上に上がる&家族カードが1枚無料に
- 旅行傷害保険の補償が手厚くなる
- トラベル・エンターテインメント特典がより豪華に
年会費の違い
項目 | アメックスグリーン | アメックスゴールド | 年会費の差 |
---|---|---|---|
年会費(本カード) | 13,200円 | 31,900円 | 18,700円 |
年会費(家族カード) | 6,600円 | 1枚無料 2枚目以降13,200円 | - |
家族全体のコスト(家族カード1枚発行) | 19,800円 | 31,900円 | 12,100円 |
アメックスゴールドは、アメックスグリーンの倍以上の年会費がかかります。
なお、メンバーシップ・リワード・プラスに登録する場合はいずれも3,300円の年会費が必要です。
旅行保険の違い
保険の種類 | 内容 | アメックスグリーン | アメックスゴールド |
---|---|---|---|
海外旅行保険 | 傷害死亡・後遺障害 | 最高5,000円 | 最高1億円 |
傷害・疾病治療 | 最高100万円 | 最高300万円 | |
賠償責任 | 最高3,000万円 | 最高4,000万円 | |
携行品損害 | 最高30万円 | 最高50万円 | |
救援者費用 | 最高200万円 | 最高400万円 | |
国内旅行保険 | 傷害死亡・後遺障害 | 最高5,000万円 |
いずれも利用付帯である点には違いありませんが、アメックスゴールドになると海外旅行傷害保険が最高1億円にアップします。
傷害・疾病治療費用も最高300万円に上がるため、より手厚い補償が受けられます。
また、アメックスゴールドには海外旅行時の航空便遅延費用が付帯するのも特徴です。
項目 | 補償金額 |
---|---|
乗継遅延 | 最高2万円 |
出航遅延・欠航・搭乗不能 | |
受託手荷物遅延 | |
受託手荷物紛失 | 最高4万円 |
海外旅行時には、飛行機の遅延・欠航や手荷物の遅延・紛失といったトラブルが多いため、より安心して旅行を楽しむならアメックスゴールドがおすすめです。
トラベル・エンタメ特典の違い
最後に、2つのカードのトラベル・エンタメ特典の違いについてです。
項目 | アメックスグリーン | アメックスゴールド |
---|---|---|
空港ラウンジサービス | 〇 | 〇 |
プライオリティ・パス | 1回の利用32米ドル | 1回の利用32米ドル(2回まで無料) |
手荷物無料宅配サービス | スーツケース1個/回が無料 | |
ゴールド・ダイニング | × | 〇 |
ザ・ホテル・コレクション・国内クーポン | × | 〇 |
スターバックス特典 | × | 〇 |
新国立劇場優待 | 〇 | 〇 |
プライオリティ・パスの特典内容が異なります。
また、アメックスゴールドには以下の継続特典が付帯します。
- ザ・ホテル・コレクション・国内クーポン
国内対象ホテルで2泊以上の予約時に使える15,000円分のクーポンをプレゼント - スターバックス特典
継続でドリンクチケット3,000円分をプレゼント
そのほか、新国立劇場での優待はいずれのカードでも利用できますが、アメックスゴールドならゴールド・ワインクラブやゴールド会員限定イベントなども楽しめます。
- アメックスを初めて持つ方
- リーズナブルな年会費で保有したい方
- 空港ラウンジサービスなど基本的なトラベル特典で十分な方
- 家族カードを発行したい方
- 手厚い旅行保険やプロテクションを求める方
- より豪華なトラベル・エンタメ特典を利用したい方
アメックスグリーンのキャンペーン
2022年7月現在アメックスグリーンでは、15,000ポイントとAmazonギフト券10,000円分がもらえる新規入会キャンペーンが開催されています。
- カード利用ボーナス
入会後3ヶ月以内に、1万円のカード利用で1,000ボーナスポイント - カード利用ボーナス
入会後3ヶ月以内に、10万円のカード利用で3,000ボーナスポイント - カード利用ボーナス
入会後3ヶ月以内に、30万円のカード利用で8,000ボーナスポイント - 通常利用ポイント
合計30万円の利用で3,000ポイント - 期間限定特典
入会月の翌々月末までに、20万円のカード利用でAmazonギフト券10,000円分 - 合計
15,000ポイント+Amazonギフト券10,000円分
対象者は、特定のWEBページより申込み、カードを発行された方です。
初年度年会費が実質無料になり、さらに期間限定でAmazonギフト券も獲得できるお得な機会に、ぜひアメックスグリーンへ申し込みましょう。
アメックスグリーンがおすすめの方
アメックスグリーンは、以下のような方におすすめのカードです。
- 初めてアメックスを持つ方
- リーズナブルな年会費でステータスカードを持ちたい方
- 旅行・出張などで空港を利用する機会が多い方
アメックスプロパーカードのなかでは最安の年会費で、ステータス性と他社ゴールド並みの豪華な特典を手に入れられます。
同伴者1名まで無料の空港ラウンジサービスや往復無料の手荷物無料宅配サービスなど、特にトラベル特典は満載です。
審査が厳しいと思われがちなアメックスですが、高ステータスの割には申し込みやすいのも魅力の1つ。
初めてアメックスを持つ方やステータスカードが欲しい方、飛行機を利用する機会が多い方はぜひアメックスグリーンを検討してみてください。
- 豊富なエンタメ特典
会員向けイベントやユニバーサル・スタジオ・ジャパン優待などエンターテインメント特典が満載 - 各種プロテクションが充実
不正プロテクション・オンラインプロテクション・リターンプロテクションなどの手厚い補償 - 海外旅行先でのサポート
24時間日本語対応が受けられるグローバル・ホットライン