保険コラム

年末に向けて準備をしよう!~年末調整の仕組みと受けられる控除について~

お金
2017年 11月20日

お金
2017年 11月20日
年末に向けて準備をしよう!~年末調整の仕組みと受けられる控除について~

年末に向けて準備をしよう!~年末調整の仕組みと受けられる控除について~
ポイント
  • 年末調整とは、源泉所得税額と所得税額の過不足を調整する仕組みのことです。
  • 年末調整の対象者は年末までに在職している方です。
  • 所得控除の中には、年末調整で控除を受けられないものもあります。
11月下旬に入り、年末に向けて忙しくなってくる時期ですね。
会社勤めの方にとっては、毎年末の恒例行事である年末調整ですが、実際にはどのような仕組みなのか、ご存知でない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は年末調整の仕組みと受けられる控除についてご説明します。書類に書き漏れが無いように、しっかりと確認しておきましょう。

年末調整の仕組み

日本では会社などの雇用主が従業員に給与や賞与を支払う際に、従業員の所得税を給与や賞与から天引きし、会社が一旦預かった上で、年末にまとめて国に支払うという仕組みがあります。この仕組みを「源泉徴収」といい、源泉徴収される所得税のことを「源泉所得税」といいます。
しかし、源泉所得税額はあくまでもおおよその金額なので、年末に所得税額が確定すると、天引きされている源泉所得税額と所得税額に過不足が発生します。
この過不足を年末の12月に調整する仕組みが「年末調整」です。
天引きされている源泉所得税額のほうが多ければ、差額が還付され、少なければ追加で税金を払うことになります。

年末調整の対象となる方

年末調整の対象者は年末までに在職している方です。正社員の方はもちろん、契約社員やパート、アルバイトの方も年末調整の対象となります。
ただし、年末までに退職した方でも、下記に当てはまる方は年末調整の対象に含まれます。
・死亡により退職した人
・著しい心身の障害のために退職した人で、再就職をし給与を受け取る見込みのない人
・12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人
・パートタイマーなどの人が退職した場合で、その年の給与総額が103万円以下の人
また、海外支店等に転勤したことにより非居住者となった方も年末調整の対象となります。

年末調整に必要な書類

年末調整に必要な書類は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」の2枚があり、年末調整の時期になると勤務先から配布されます。
また、上記の書類以外にも、控除の対象を証明するための書類を提出する必要があります。

<提出する控除証明書>

・生命保険料控除証明のための保険会社からのハガキ
・損害保険料控除証明のための保険会社からのハガキ
・個人型の確定拠出年金の掛金を証明する書類
・国民年金、国民健康保険等の社会保険料を証明する書類
・配偶者特別控除に必要な源泉徴収票などの収入証明
・住宅ローン控除に必要な住宅借入金等特別控除証明書、申告書、借入金の年末残高等証明書などの書類
では、実際にどのような控除を受けられるのか、書類ごとに確認していきましょう。

1.給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は、扶養している家族に関しての申告を行う申告書です。
結婚して配偶者がいる方、子どもがいる方や親の面倒を見ている方などが控除の対象となります。

≪給与所得者の扶養控除等(異動)申告書で受けられる控除≫

①基礎控除
給与所得者であれば誰でも受けられる控除となります。基礎控除の金額は38万円です。
②配偶者控除
結婚している方で、配偶者の年間の合計所得金額が38万円以下であれば、配偶者控除を受ることができます。
配偶者控除の金額は38万円(70歳以上の場合は48万円)です。
③扶養控除
扶養親族のうち、16歳以上の方は「控除対象扶養親族」となり、扶養控除が受けられます。
扶養控除の金額は、扶養親族の年齢と同居の有無によって変わります。

<扶養控除の金額>

区分 控除額
一般の控除対象扶養親族
(16歳以上)
38万円
特定扶養親族
(19歳以上23歳未満)
63万円
老人扶養親族
(70歳以上)同居老親等※
58万円
老人扶養親族
(70歳以上)同居老親等以外
48万円
※同居老親等とは、70歳以上で本人や配偶者の父母・祖父母等で同居している方をいいます。
出典:国税庁「No.1180 扶養控除」
④勤労学生控除
働きながら学校に通っている方は、勤労学生控除を受けることができます。
勤労学生控除の金額は27万円です。
⑤障害者控除除
本人・配偶者・扶養親族が障害者の場合、障害者控除を受けることができます。

<障害者控除の金額>

区分 控除額
障害者 27万円
特別障害者 40万円
同居特別障害者※ 75万円
※同居特別障害者とは、特別障害者である同一生計配偶者、又は扶養親族で、納税者自身、配偶者、生計を一にする親族のいずれかとの同居している方です。
出典:国税庁「No.1160 障害者控除」
⑥寡婦(寡夫)控除
配偶者と離婚、または死別された方は、寡婦(寡夫)控除を受けることができます。
寡婦控除は「一般の寡婦」と「特別の寡婦」に分かれており、「一般の寡婦」であれば控除額は27万円、「特別の寡婦」であれば控除の金額は35万円です。
また、寡夫控除の金額は27万円で、「特別の寡夫」はありません。

2.給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書

「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」は、各種所得控除や配偶者特別控除を申告するための申告書です。
生命保険や地震保険に加入されている方は要チェックです。

≪給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書で受けられる控除≫

①生命保険料控除
生命保険に加入している方は所得控除を受けることができます。
生命保険料控除は、終身保険や定期保険等の「一般の生命保険料」、医療保険・所得保障保険やがん保険等の「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3つに区分されています。
10月頃に各保険会社から届きはじめる、生命保険料控除証明書の内容をもとに書類に記入していきましょう。生命保険料控除の金額は、加入している生命保険の保険料や、加入した時期によって異なります。
(生命保険料控除については、「生命保険料控除で税金が安くなる!~知っておきたい生命保険料控除の基礎知識~」「生命保険料控除で税金が安くなる!②~生命保険料控除をフル活用するための4つのポイント~」をご覧ください)
②地震保険料控除
生命保険と同様に、地震保険に加入している方も控除を受けることができます。
地震保険料控除も、損害保険会社から地震保険料控除証明書が届きますので、無くさないように保管しておきましょう。
地震保険料控除の金額は最高で5万円です。
③社会保険料控除
社会保険料を支払っていると、社会保険料控除を受けることができます。
給与から天引きされている社会保険料に加えて、子どもの国民年金保険料や、自営業から会社員になった際、自営業だった期間中に支払っていた国民年金保険料と国民健康保険料も控除の対象となります。
社会保険料控除の金額は、その年に実際に支払った金額、または給与や公的年金から差し引かれた金額の全額です。
④小規模企業共済等掛金控除
個人事業主の方や小規模会社の役員の方が小規模企業共済に加入している場合、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入している場合、障害のある家族を扶養している方が心身障害者扶養共済に加入している場合は、小規模企業共済等掛金控除を受けることができます。
なお、個人型確定拠出年金の掛金が給与から天引きされている場合には、保険料控除申告書への記入は不要です。
小規模企業共済等掛金控除の金額は、その年に支払った掛金の全額です。
⑤配偶者特別控除
「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の「②控除対象配偶者」では、配偶者の条件として『年間の合計所得金額が38万円以下であること。』とありましたが、配偶者の年間の所得額が38万円以上76万円未満の場合は配偶者特別控除を受けることができます。
しかし、夫婦両方が受けることはできないため、夫婦のうち収入の多い方が控除を受けることになります。
配偶者特別控除の金額は、3万~38万円となっており、配偶者の所得金額が多いほど控除額が低くなります。

年末調整では控除の対象とならないもの

所得控除の中には、年末調整で控除を受けられないものもあります。
・医療費控除
・雑損控除
・ふるさと納税などの寄付金控除
・住宅ローン控除(1年目)
上記の所得控除は、年末調整で控除を申請できないため、確定申告を行う必要があります。
また、住宅ローン控除については、2年目から年末調整で控除を受けることができます。
毎年面倒に感じがちな年末調整の書類ですが、どの欄を記入しなければならないのかを把握し、必要書類をもとに記入を進めればそれほど難しい作業ではありません。年末調整が近づくと届きはじめる必要書類を無くさず保管しておくことと、自分が記入する必要がある欄はどこなのかを、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

 

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