保険コラム

相続の際、生命保険を上手に活用する方法

お金
2017年 03月06日

お金
2017年 03月06日
相続の際、生命保険を上手に活用する方法

相続の際、生命保険を上手に活用する方法
ポイント
  • 生命保険で財産を残すことは、節税につながります。
  • 生命保険で財産を残した場合、実際にどれくらい節税につながるか、計算してみましょう。
  • 相続の際に起こるトラブルを回避するために、生命保険を上手に活用しましょう。
もしご家族が亡くなったら…故人との別れを悲しむ間もなく、考えなければならない現実問題として、遺産相続があります。
故人がどれくらいの遺産があり、どう分配するか?遺言はあるか?相続税はどれくらいかかる?など、遺された家族で話し合いが必要です。「納税資金が用意出来ない」「相続人の間での遺産争い」などは、相続の際にもっとも多いトラブル。そんなトラブルを起こさないよう、円滑に遺産相続を進めるためのひとつの方法として、生命保険を活用できることをご存知ですか?

生命保険で財産を残すことは、節税につながる!

遺産相続の際、基礎控除額以上の遺産を相続する時には相続税を支払う必要があります。
2015年以降、相続税の課税強化が行われ、それまでの基礎控除(5,000万円+法定相続人×1,000万円)から、(3,000万円+法定相続人×600万円)に変更になりました。国税庁が発表した「平成27年分の相続税の申告状況について」によると、平成26年分の4.4%から8%と大幅に増加したとのこと。相続税を払う対象になる人が、倍近く増えたという事です。
できるだけ税金は少なくしたいものですよね。そんな、節税対策の一つとして生命保険は、有効に活用できます。
生命保険金を受け取るときにかかる税金の話でもお話ししたように、生命保険には「遺された家族の生活を守る」という大切な目的があるため、受け取る保険金のうち、【法定相続人の人数×500万円分】は非課税対象になります。
では、実際に現金で準備した場合と、生命保険で準備した場合、課税額にどれくらいの違いが出るのでしょうか。
Case.1 Aさん一家の場合(生命保険未加入)
家族構成

家族構成A
相続財産

① 家、土地の評価額 ・・・7,000万円
銀行預金     ・・・3,000万円
差し引かれるお金

① 債務控除     ・・・ 300万円
② 葬式費用     ・・・ 200万円
被相続人(死亡した人)に債務があれば遺産総額から控除されます。
また、葬式費用にかかるお金も控除できます。
家族構成

家族構成A
相続財産

① 家、土地の評価額 ・・・7,000万円
銀行預金     ・・・3,000万円
被相続人(死亡した人)に債務があれば遺産総額から控除されます。
また、葬式費用にかかるお金も控除できます。
差し引かれるお金

① 債務控除     ・・・ 300万円
② 葬式費用     ・・・ 200万円

STEP.1課税価格の計算

合計
相続財産① 3,500万円 1,750万円 1,750万円 7,000万円
相続財産② 2,000万円 500万円 500万円 3,000万円
債務控除 -300万円 -300万円
葬式代 -200万円 -200万円
課税価格 5,000万円 2,250万円 2,250万円 9,500万円
相続財産① 相続財産②
3,500万円 2,000万円
1,750万円 500万円
1,750万円 500万円
合計 7,000万円 3,000万円
債務控除 葬式代 課税価格
-300万円 -200万円 4,500万円
2,250万円
2,250万円
合計 -300万円 -200万円 9,500万円

STEP.2課税遺産総額の計算

課税価格 : 9,500万円 - 基礎控除額(3,000万円 + 3人 × 600万円)= 4,700万円
課税価格:9,500万円-基礎控除額(3,000万円+3人×600万円)=4,700万円

STEP.3相続税の計算

① STEP2で算出した課税遺産総額を、法定相続分(※)通りに相続したと仮定して、
  3人それぞれの取得金額を出していきます。
① STEP2で算出した課税遺産総額を、法定相続分(※)通りに相続したと仮定して、3人それぞれの取得金額を出していきます。
(※)法定相続分とは…法で定められた、法定相続人の相続順位による相続分のこと。

法定相続人 法定相続分
第1順位 配偶者と子(孫) 配偶者 1/2 ・ 子(孫) 1/2
第2順位 配偶者と父母(祖父母) 配偶者 2/3 ・ 父母(祖父母) 1/3
第3順位 配偶者と兄妹姉妹(甥・姪) 配偶者 3/4 ・ 兄妹姉妹(甥・姪) 1/4
法定相続人
第1順位 配偶者と子(孫)
第2順位 配偶者と父母(祖父母)
第3順位 配偶者と兄妹姉妹(甥・姪)
法定相続分
第1順位 配偶者 1/2
子(孫) 1/2
第2順位 配偶者 2/3
父母(祖父母) 1/3
第3順位 配偶者 3/4
兄妹姉妹(甥・姪) 1/4
妻 4,700万円×1/2 = 2,350万円
兄 4,700万円×1/2×1/2 = 1,175万円
妹 4,700万円×1/2×1/2 = 1,175万円
② ①の取得金額に基づき、相続税の税額速算表により相続税を算出します。
妻 2,350万円×15%-50万円 = 302万5,000円
兄 1,175万円×15%-50万円 = 126万2,500円
妹 1,175万円×15%-50万円 = 126万2,500円
合計すると、相続税の総額は555万円になります。
ただし、妻については、配偶者の税額軽減により、1億6000万円のまでは実質非課税になるため、相続税の総額は252万円5000円になります。
Case.2 Bさん一家の場合(死亡保険に加入)
家族構成

家族構成B
相続財産

① 家、土地の評価額 ・・・7,000万円
死亡保険     ・・・3,000万円
CASE.1の預貯金3,000万円が、仮に保険金3,000万円だったとすると…
差し引かれるお金

① 債務控除     ・・・ 300万円
② 葬式費用     ・・・ 200万円
CASE.1の預貯金3,000万円が、
仮に保険金3,000万円だったとすると…

STEP.1課税価格の計算

合計
相続財産① 3,500万円 1,750万円 1,750万円 7,000万円
相続財産② 3,000万円 3,000万円
非課税金額 -1,500万円 -1,500万円
債務控除 -300万円 -300万円
葬式代 -200万円 -200万円
課税価格 4,500万円 1,750万円 1,750万円 8,000万円
相続財産① 相続財産② 非課税金額
3,500万円 2,000万円 -1,500万円
1,750万円
1,750万円
合計 7,000万円 3,000万円 -1,500万円
生命保険の非課税対象額=法定相続人の人数×500万円
3人 × 500万円 = 1,500万円分が、非課税金額として控除されます。
債務控除 葬式代 課税価格
-300万円 -200万円 4,500万円
1,750万円
1,750万円
合計 -300万円 -200万円 8,000万円
生命保険の非課税対象額=法定相続人の人数×500万円
3人 × 500万円 = 1,500万円分が、非課税金額として控除されます。

STEP.2課税遺産総額の計算

課税価格:8,000万円 - 基礎控除額(3,000万円+3人×600万円) = 3,200万円

STEP.3相続税の計算

① STEP2で算出した課税遺産総額を、法定相続分通りに相続したと仮定して、
  3人それぞれの取得金額を出していきます。
妻 3,200万円×1/2 = 1,600万円
兄 3,200万円×1/2×1/2 = 800万円
妹 3,200万円×1/2×1/2 = 800万円
② ①の取得金額に基づき、相続税の税額速算表により相続税を算出します。
妻 1,600万円×15%-50万円 = 190万円
兄 800万円×10% = 80万円
妹 800万円×10% = 80万円
合計すると、相続税の総額は350万円になります。
ただし、妻については、配偶者の税額軽減により、1億6000万円までは実質非課税になるため、相続税の総額は160万円になります。
252万円5,000円-160万円=92万5,000円  相続税の差額、92万5,000円!
252万円5,000円-160万円
=92万5,000円
相続税の差額、92万5,000円!

≪相続税の税額速算表≫

法定相続人の取得金額法定相続人の
取得金額
税率 速算控除額
1,000万円以下 10% 0円
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

他にもある!生命保険を活用した遺産相続のメリット

また、節税対策のほかにも、生命保険を活用した相続には良い点があります。
1.手続きしてから1週間前後で、現金として受け取れる

1.手続きしてから1週間前後で、現金として受け取れる
通常、銀行口座は名義人が死亡したことを金融機関が知った場合、凍結されてしまいます。もし口座から引き落とす前に凍結されてしまった場合、解除するには様々な手続きが必要でかなり面倒なうえ、時間がかかります。特に一家の大黒柱が亡くなった場合など、当面の生活費や葬儀費用など、すぐに必要なお金があるのにおろせない…といったトラブルにつながることも。
生命保険の場合、保険金請求から1週間前後で保険金を現金で受け取れ、「受取人の財産」としてすぐに使うことができるのです。
2.遺産分割協議の対象外になる

遺産は相続人全員の共同財産。相続遺産をどのように分けるか、「遺産分割協議」を相続人全員で行う必要があります。しかし、生命保険は「受取人固有の財産」となるため、協議の対象外になります。トラブルを避けるために遺言書を残しておくのも一つですが、生命保険を活用するのも賢い方法ではないでしょうか。
遺されたご家族の心身の負担を少しでも軽減するために、ご遺族ができるだけスムーズに、そして負担なく相続できるよう、今のうちから対策を考えておくのはいかがでしょうか。

 

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