保険コラム

医療費の負担が軽減される!高額療養費制度の仕組み

お金
2017年 02月20日

お金
2017年 02月20日
医療費の負担が軽減される!高額療養費制度の仕組み

医療費の負担が軽減される!高額療養費制度の仕組み
ポイント
  • 高額療養費制度とは、1ヶ月にかかった医療費が自己負担額の上限を超えた場合、一定の金額を超えた分が払い戻される制度です。
  • 自己負担額の上限は、年齢や所得水準によって異なります。
  • 「世帯合算」や「多回数該当」といった仕組みを利用すれば、さらに負担が軽減されます。
高額療養費制度がどのようなものか、皆さんご存知ですか?名前は聞いたことがあるけれど、どんな制度なのか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
今回のコラムは、高額療養費制度の仕組みについて詳しくお伝えします。

高額療養費制度とは

高額療養費制度とは、1ヶ月にかかった医療費が高額になった場合、定められた自己負担限度額を超えた分が後で払い戻される制度です。

<例 70歳未満で年収約370~約770万円の方(1ヶ月で医療費が100万円かかり、自己負担額が30万円となる場合)>

高額療養費制度の例
※出典:厚生労働省
上の例の場合、212,570円が高額療養費として支給され、実際の負担額は87,430円となります。

≪制度の対象外となるもの≫

高額療養費制度は、健康保険が適用される診療に対し、支払った額が対象となります。
食費や差額ベッド代、健康保険が適用されない先進医療にかかる費用等については、支給の対象外となります。

自己負担額の上限について

最終的に支払う自己負担額は、健康保険加入者が70歳以上かどうか、および、所得水準によって異なります。

<70歳未満の方の場合>

所得区分 1ヶ月の負担の上限額
年収1,160万円~
健保:標報83万円以上
国保:年間所得901万円超
252,600円+(医療費-842,000円)×1%
年収770~1,160万円
健保:標報53万~79万円
国保:年間所得600万~901万円
167,400円+(医療費-558,000円)×1%
年収370~770万円
健保:標報28万~50万円
国保:年間所得210万~600万円
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
~年収370万円
健保:標報26万円以下
国保:年間所得210万円以下
57,600円
住民税非課税者 35,400円
70歳未満の方の場合
[所得区分] 年収1,160万円~
健保:標報83万円以上 国保:年間所得901万円超
[1ヶ月の負担の上限額]
252,600円+(医療費-842,000円)×1%
[所得区分] 年収770~1,160万円
健保:標報53万~79万円 国保:年間所得600万~901万円
[1ヶ月の負担の上限額]
167,400円+(医療費-558,000円)×1%
[所得区分] 年収370~770万円
健保:標報28万~50万円 国保:年間所得210万~600万円
[1ヶ月の負担の上限額]
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
[所得区分] ~年収370万円
健保:標報26万円以下 国保:年間所得210万円以下
[1ヶ月の負担の上限額] 57,600円
[所得区分] 住民税非課税者
[1ヶ月の負担の上限額] 35,400円
※出典:全国健康保険協会

<70歳未満の方の場合>

70歳以上の方には、外来のみの上限額も設定されています。
所得区分 1ヶ月の負担の上限額
外来(個人ごと)
現役並みの所得者
(月収28万円以上)
44,400円 80,100円+(医療費-267,000円)×1%
一般 12,000円 44,400円
低所得者
(住民税非課税の方)

(Ⅰ以外の方)
8,000円 24,600円

(年金収入のみの方の場合、
年金受給額80万円以下など、
総所得金額がゼロの方)
15,000円
所得区分
現役並みの所得者(月収28万円以上)
1ヶ月の負担の上限額
外来(個人ごと)
44,400円 80,100円+
(医療費-267,000円)
×1%
所得区分
一般
1ヶ月の負担の上限額
外来(個人ごと)
12,000円 44,400円
所得区分
低所得者
(住民税非課税の方)

(Ⅰ以外の方)
1ヶ月の負担の上限額
外来(個人ごと)
8,000円 24,600円
所得区分
低所得者
(住民税非課税の方)

(年金収入のみの方の場合、
年金受給額80万円以下など、
総所得金額がゼロの方)
1ヶ月の負担の上限額
外来(個人ごと)
8,000円 15,000円
※出典:全国健康保険協会
高額療養費制度は、同じ月で他の医療機関での治療にかかる自己負担を合算することができます。1つの医療機関でかかる自己負担では、高額療養費の支給対象外となる場合でも、この合算額が自己負担の上限額を超えていれば、高額療養費の支給対象になります。

≪月をまたいで入院や治療を行った場合≫

月初めから終わりまでの医療費が高額になったときに軽減される制度なので、月をまたいでの自己負担額を合算することができないので注意が必要です。
※高額療養費制度は、1ヶ月単位で作成する「診療報酬明細証明書(レセプト)」(医療機関から健康保険に提出する診療報酬の請求書)をもとに、自己負担の上限額を確認するため

さらに負担が軽減される!?

高額療養費制度には、最終的に負担する金額がさらに軽減される仕組みがあります。

≪家族で自己負担額を合算できる≫

一人の一回の負担額では、高額療養費の支給対象にならなくても、複数の医療機関の受診や同じ世帯にいる方(同じ医療機関の診療に限る)の自己負担額を1ヶ月単位で合算することができます。これを「世帯合算」といいます。合算額が一定額を超えた場合、超過分が高額療養費として支給されます。
70歳未満の方の受診については、21,000円以上の自己負担のみ合算することができます。

<例 70歳未満、年収約370~約770万円の方の場合>

自己負担額合算の例
※出典:厚生労働省

≪1年のうち、3回以上支給を受けた場合、4回目から負担額が軽減される≫

高額療養費で1ヶ月の自己負担額は抑えられますが、病気が長引いてしまった場合、自然と家計への負担は大きくなります。
そのような時のために「多回数該当」という仕組みがあります。
直近の12ヶ月間に、すでに3回以上高額療養費の支給を受けている場合、4回目からの負担額がさらに軽減されます。

<70歳未満の方の場合>

所得区分 本来の負担上限額 矢印 多回数該当の場合
年収1,160万円~ 252,600円+(医療費-842,000円)×1% 140,100円
年収770~1,160万円 167,400円+(医療費-558,000円)×1% 93,000円
年収370~770万円 80,100円+(医療費-267,000円)×1% 44,400円
~年収370万円 57,600円 44,400円
住民税非課税者 35,400円 24,600円
所得区分
年収1,160万円~
本来の負担上限額
252,600円+(医療費-842,000円)×1%
矢印
多回数該当の場合
140,100円
所得区分
年収770~1,160万円
本来の負担上限額
167,400円+(医療費-558,000円)×1%
矢印
多回数該当の場合
93,000円
所得区分
年収370~770万円
本来の負担上限額
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
矢印
多回数該当の場合
44,400円
所得区分
~年収370万円
本来の負担上限額
57,600円
矢印
多回数該当の場合
44,400円
所得区分
住民税非課税者
本来の負担上限額
35,400円
矢印
多回数該当の場合
24,600円
※出典:全国健康保険協会

<70歳以上の方の場合>

所得区分 本来の負担上限額 矢印 多回数該当の場合
現役並みの所得者 80,100円+(医療費-267,000円)×1% 44,400円
所得区分
現役並みの所得者
本来の負担上限額
80,100円+(医療費-267,000円)×1%
矢印
多回数該当の場合
44,400円
※出典:全国健康保険協会

高額療養費制度の申請方法

実際に高額療養費制度を利用する場合、方法は以下の2つです。
①事前に手続きして病院窓口での負担を減らす方法
②事後に申請して払い戻しを受ける方法

≪①事前に申請する場合≫

高額療養費制度を使って医療費の払い戻しを受ける場合、お金が戻ってくるまでに3ヶ月程度かかります。しかし、事前に「限度額適用認定証」の交付を受け、病院の窓口に提出すれば、窓口での支払いを負担の上限額までに抑えることができます。
「限度額適用認定証」は、加入している健康保険組合や国民健康保険の窓口(市町村)で発行できます。
※70歳以上の方は、「限度額適用認定証」の手続きなしで自動的に窓口での支払いが自己負担限度額までになります。ただし、所得区分が低所得者の場合は「限度額適用認定・標準負担額認定証」が必要です。

≪②事後に申請する場合≫

事後に申請をする場合は、加入している健康保険組合や国民健康保険の窓口(市町村)に、申請書と、病院の領収書などの必要書類を提出しましょう。
支給の申請ができる期限は、病院にかかった翌月の初日から2年間です。
高額療養費制度は、健康保険に加入していれば誰でも受けられる制度です。
大きなケガや病気になってしまったときに、きちんと活用できるように制度のポイントや注意点を理解しておきましょう。

 

カテゴリーから探す

カテゴリーから探す