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がん治療にかかるお金について

お金
2017年 05月15日

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2017年 05月15日
がん治療にかかるお金について

がん治療にかかるお金について
ポイント
  • がんの治療は、進行のステージや部位によって費用が変わります。
  • 先進医療を受ける場合、医療技術料は全て自己負担になります。
  • がんの治療にかかる、年間の実質負担額を平均すると24万円です。
がんは2人に1人はかかるといわれているほど、身近に潜む病気ですが、万が一かかってしまった場合、実際にどれくらいの治療費がかかるのか気になる方も多いと思います。
そこで今回は、がんの治療法とそれらにかかる費用についてご紹介します。

がんの3大療法にかかる費用

がんの治療には、大きく分けて「手術」「薬物療法(抗がん剤治療)」「放射線治療」の3種類の治療法があります。
がんのステージや部位に合わせて、この3つの療法やその他の方法を組み合わせて治療を進めていきます。
手術

がんになった部分と、その周辺を切除する治療法です。がんが小さく、転移などもなく早期発見できた場合は、手術が効果的だといわれています。
がん周辺の切除範囲を小さくすることで、治療後の後遺症を最小限に抑えることができる手術もあります。(内視鏡手術)
薬物療法(抗がん剤治療)

手術だけでは全てがんを取り除けない場合や、手術後の再発防止として使われているのが薬物療法(抗がん剤治療)です。
しかし、正常な細胞にも作用するため、身体への負担があります。また、効果が出るまで時間がかかるので、治療が長引き、費用もかかる療法です。
放射線治療

がんになった部分に対して、放射線を照射してがん細胞を破壊する治療法です。
この治療法は、体の外側から放射線を照射する「外部照射」と、体内に放射性物質を入れて照射する「内部照射」の2種類の方法があります。
実際には、がんの部位やステージによってかかる費用が大きく異なります。

がんの先進医療にかかる費用

先進医療とは、特定の大学病院等で、研究・開発・実施されている治療のことで、厚生労働省に承認されている治療のことです。
先進医療は、医療技術そのものの費用が全て自己負担となるため、高額になる場合もあります。※診察や検査などに関しては公的医療保険が適用される

<主な先進医療とかかる費用>

先進医療技術名 平均費用
陽子線治療 268万円
重粒子線治療 308万円
自己腫瘍・組織及び樹状細胞を
用いた活性化自己リンパ球移入療法
397万円
内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術 26万円
※厚生労働省 第38回先進医療会議資料 平成27年度実績報告より算出
放射線治療の中でも先進医療に分類されている「陽子線治療」「重粒子線治療」は、一般の放射線治療が正常な細胞にも影響があることに対し、がん細胞のみを破壊することができるので、副作用を少なくすることができます。
「自己腫瘍・組織及び樹状細胞を用いた活性化自己リンパ球移入療法」とは、「免疫療法」と呼ばれる治療法です。体内で発生したがん細胞を免疫により異物と判断し、排除しています。しかし、免疫が弱まった状態や、がん細胞が免疫の働きを抑制してしまったりすることにより、がん細胞を異物として排除しきれないことがあります。「免疫療法」とは、免疫本来の力を回復させることでがんを治療する方法です。歴史は浅いですが、今後の期待が大きい治療法と言われています。
「内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術」は、甲状腺がんの手術に内視鏡を使用した治療のことです。甲状腺がんの手術では首を大きく切開する方法が一般的ですが、内視鏡を用いることで、傷跡が小さくなり、術後の痛みや皮膚の引きつれなどの違和感が少なくなります。

がん治療にトータルでかかる費用

≪入院にかかる費用≫

がんの入院にかかる平均費用は以下の通りです。
がんの種類 平均入院日数 入院にかかる費用
(1日あたり)
入院にかかる費用
(窓口支払総額)
胃がん 19.3 14,400 278,000
肝臓がん 18.8 14,880 280,000
結腸がん 16.6 15,610 259,000
直腸がん 20.5 17,110 351,000
乳がん 12.5 16,870 211,000
子宮がん 13.7日 15,999円 219,000
胃がん
平均入院日 19.3
入院にかかる費用
(1日あたり)
14,400
入院にかかる費用
(窓口支払総額)
278,000
肝臓がん
平均入院日 18.8
入院にかかる費用
(1日あたり)
14,880
入院にかかる費用
(窓口支払総額)
280,000
結腸がん
平均入院日 16.6
入院にかかる費用
(1日あたり)
15,610
入院にかかる費用
(窓口支払総額)
259,000
直腸がん
平均入院日 20.5
入院にかかる費用
(1日あたり)
17,110
入院にかかる費用
(窓口支払総額)
351,000
乳がん
平均入院日 12.5
入院にかかる費用
(1日あたり)
16,870
入院にかかる費用
(窓口支払総額)
211,000
子宮がん
平均入院日 13.7
入院にかかる費用
(1日あたり)
15,999
入院にかかる費用
(窓口支払総額)
219,000
※「入院外でかかる費用」には、食事代や生活費も含まれます
※出典:厚生労働省「医療給付金実態調査平成26年度」「平成26年度患者調査」

≪入院が必要なことも≫

<がん患者の入院・外来受療率・平均在院日数の推移>

がん患者の入院・外来受療率・平均在院日数の推移
※受診率とは、人口10万人に対する推計患者数
※出典:厚生労働省「平成26年 患者調査の概況」
通院しながら抗がん剤の治療や放射線治療を行うこともあります。また、医療技術の進歩により外来での治療が多くなってきています。

≪実際に負担している額はどれくらい?≫

がんの治療にかかる1年間の自己負担額は平均86万円。一方、償還・給付金額は平均で62万円なので、実質的な自己負担額は平均で24万円となっています。
※償還・給付金額の内訳には、民間保険の給付金も含まれているので、民間の保険に加入していない場合は負担額がもっと大きくなります。
がんの治療にかかる1年間の自己負担額
参考:がんの医療経済的な解析を踏まえた患者負担の在り方に関する研究<平成22年~24年総合研究報告書 濃沼信夫>
近年の医療の発達により、がんに対して様々な治療法が存在します。
先進医療などを受けることになると、一度の治療で多額の費用が必要となることもあります。
万が一がんになってしまったときに、最善の治療を受けられるようにするためにも、きちんと備えておくことが大切です。

 

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